国内外食チェーンの売上ランキングから気づくこと【no.1817】
国内外食チェーンの売上ランキングを見たことがある方はいるだろうか。トップ10を見ると意外な(知らない)会社の名前がある。今回のECMJコラムはそんな話。
*国内外食チェーンの売上ランキング
国内外食チェーンの売上ランキング上位の企業として、どんな会社が思いつくだろうか。たとえば世界的なファーストフードの雄、日本マクドナルド。「すき家」や「なか卯」といったブランドを持つゼンショーホールディングス。「ガスト」や「ジョナサン」「バーミヤン」などファミレスを主に運営するすかいらーくグループ。このあたりの会社名は比較的早く出てくるのではないでしょうか。
他にも「牛角」や「温野菜」「フレッシュネスバーガー」を運営する会社。ご存じの方も多いと思うが、もちろん東証一部上場のコロワイド、という会社である。また、「ほっともっと」や「やよい軒」を運営するのはプレナスという会社になる。コロワイド、プレナスといった会社名はすんなり出てこなくとも、「牛角」「やよい軒」というブランド名はすんなり出てくるのではないだろうか。
そんな国内外食チェーンの売上ランキング上位の中に、聞きなれない名前がある。「日清医療食品」という会社なのだ。
*日清医療食品がランキングに入っている意味
ちなみにいうと、日清医療食品という会社はカップヌードルで有名な「日清食品」とはまったく関係がない。そして、このコラムは日清医療食品をディスっているわけではもちろんなく、なぜなら私自身の実父が日清医療食品と関連する会社で働いているという事実もある。だから、以前から日清医療食品という会社を知っていたし、この売上ランキングを初めて見たときに驚いた。
さあ、問題はなぜ日清医療食品が国内外食チェーンの売上ランキング上位に入っているか、という話になる。
この1か月、2か月の間にマクドナルドのハンバーガーを食べた人はどれくらいいるか。この1か月、2か月の間にガストで食事をした人はどれくらいいるか。けっこういそうである。では、この1か月、2か月の間に日清医療食品の食事を食べた人はどれくらいいるか。あまりいなそうなのだ。日清医療食品は主に「病院食」を提供している会社である。
おそらくマクドナルドを毎日食べている人はいない。けれど、病院食を毎日食べている、1日3食食べている方はいる。だから日清医療食品という会社は国内外食チェーンの売上ランキングで上位に入っているのだ。
*デジタルマーケティングの概念に当てはめると
病院食を食べてらっしゃる方は、必ずしも病院食を食べることを望んではいないだろうし、できれば病院食でないものも1日1食は食べたいと思っているかもしれない。そのあたりの事情もあると思うので、あくまで一例として捉えてもらいたいのだが、デジタルマーケティングの概念に当てはめると日清医療食品のサービスは「LTVが非常に高い」ビジネスモデルであると言える。けっして、「病院食が儲かる」とかっていう話ではないので勘違いなく。
今回のECMJコラムで言いたいのは、自社の「LTV(ライフ・タイム・バリュー)」をきちんと計算し、把握していますか、という話。ビジネスモデルによって「LTV」は大きく変わる。広報活動や広告宣伝など、目先のお金がかかる情報発信を控えている会社でも、実は「LTV」が非常に高く、もっと積極的に情報発信をしていった方が良いビジネスもある。
あなたの会社のサービスはお客様がどれくらい継続してくれているだろうか。それをきちんと数字で把握し、定期的にチェックして継続を伸ばすための改善策をほどこしているだろうか。「LTV」は、まだまだリアルビジネスに浸透していない概念なので、把握するだけでチャンスが広がる。
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