マーケティングにおける「広告投資」の考え方。前【no.1758】
マーケティングにおける「広告投資」の考え方。前編です。
事業の拡大はそのまま「認知の拡大」と言っても過言ではありません。そして認知の拡大には「広告投資」というものがどうしても必要です。この「広告投資」の予算とタイミングをどう考えるかが経営判断が難しいところです。ECMJとしても「このポイントだ!」と言い切れないですが、考え方を書いていきます。
*まずは広告投資を行う前に考えること
広告投資はあくまで「1→10」や「10→100」のために活用するものです。「0→1(いわゆるゼロイチ)」をつくるために活用するものではありません。まずこれを共通認識として持っておきましょう。
ビジネスは「商品力(サービス力)×提案力×集客力」で成り立っています。「商品力×提案力」を鍛えていないにも関わらず広告投資で集客力をアップさせる。これはバケツに水が溜まるどころか、バケツの底から水が抜けていく「ザル」状態です。ECMJが「飛び道具を使わない」コンサルティングからスタートするのも同じ理由です。
「商品力×提案力」の筋肉をつけるのが「0→1」の状態。そしてゼロに「100」をかけても「1,000」をかけてもゼロというわけです。まずは掛け算のできる状態をつくることが大切です。
*とはいえ、集客力がないとわからないことも
あくまで掛け算のできる状態になってから「広告投資」をスタートすることが肝心です。しかし「商品力×提案力」を改善したとしても、「誰にも『商品力×提案力』を見てもらえる機会がなかった」ら、評価をすることができません。ゼロに集客力を掛けてもゼロです。しかし「商品力×提案力×集客力」の「集客力」がゼロでも、全体はゼロになるのです。
この「集客力ゼロ」の状態にならないためにSNSを活用したり、コンテンツマーケティングを展開したり、またリアルでの営業活動をおこないます。ただ「集客力」の母数が足りないと「0→1」に到達しているのか、「0→0.5」の状態なのか、はたまた「0→5」までイケているのか、判断することができなくなります。
そこで生まれる考え方が、「0→?」の判断をするための「広告投資」です自社の成長度を測るために、「広告投資」を活用するのです。
*「判断」のため、あくまで同一条件にこだわる
「広告投資」によって「0→?」の判断をするとき、大切になるのが「同一条件」です。「広告投資」により、「商品力×提案力」のアップ度合を判断するとします。もし選択した広告が異なったり、かけた金額が異なったり、期間が異なると、成果の判断があいまいになります。結果、「良かったのか悪かったのか」がわからない状態になります。
季節性やトレンドもありますし、完全な同一条件を守ることは容易ではありません。しかしできるだけ条件を揃えた「広告投資」を繰り返すこと。これによって自社のマーケティング活動の成果を定量化できるようになります。また、少額の「広告投資」を繰り返すことでノウハウが蓄積できることも魅力です。最終的に大きな「広告投資」をおこなうとしても、いきなりの挑戦はギャンブルです。自社の「集客力」のレベルアップのためにも、同一条件の「広告投資」は欠かせません。
次回は「マーケティングとしての広告投資」から一歩先。「実をとる広告投資」について考えます。
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