経済が成長すると「晩婚化」「少子化」が進む理由【no.1701】
毎年この季節になると思い出すのが「岩佐豊の長時間セミナー~これから勝ち残る企業の条件~」です。2012年からスタートして2016年まで毎年3月に開催をしていました。1月の下旬はセミナーの参加者募集を始める時期で、数年前はちょうど今頃から動き出していましたね。2016年の10月に岩佐さんが亡くなり、長時間セミナーも開催できなくなってしまったわけですが。今日は「岩佐豊の長時間セミナー」の話。
*「岩佐豊の長時間セミナー」とは
ECMJコラムでは何度も登場しているのでご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、岩佐豊氏はECマーケティング人財育成の元取締役です。創業から2016年の10月に逝去されるまで、取締役を務めてもらいました。岩佐さんとの関係はECMJが創業する前から。岩佐さんとの関係があってこそ、ECMJという会社が設立されたといっても過言ではありません。というか、現にそうです。
「岩佐豊の長時間セミナー」とは、元週刊ダイヤモンド編集長、元ダイヤモンド社社長だった岩佐さんがその知見をいかんなく(時間の制限なく)参加者の皆さんに紹介する(話し倒す)講演会です。2012年の最初の開催は2時間だった記憶がありますが、年々時間が伸びて最後の2016年には2日間、合計8時間の講演会になったという・・。よく岩佐さんが言っていました。「話す人(自分)より、聞く人の方が大変なセミナーだな」と。
*岩佐さんの話はマクロ経済から始まる
実は2012年の最初の長時間セミナーは私自身が初めて岩佐さんの講演を聞いたタイミングでもありました。それまで週に何度も(1年くらい毎週3回くらいは会っていた)岩佐さんに教えを乞うことがあり、人に対する細かい気づかいや中小企業のポイント、マーケティングの原理原則などを教えてもらっていたので、てっきり「中小企業が成功するためには~」みたいな話から始まるのかと思っていたのですが、完全にマクロ経済(株価の推移)の話からのスタートでした。「そうなのだ。元週刊ダイヤモンド編集長なのだ」と思ったのを覚えています。
ここから本日のコラムの本題なのですが、当時から(以前から岩佐さんを知っている方は何十年前から)岩佐さんが必ず話していたのが「人口動態」の話でした。今では一般的になりつつありますが、「人口動態」と「経済成長」は一致するということを、経済の原理原則としてお話されていました。日本の人口減少と高齢化、移民政策は「経済成長」に関わってくるということです。この「人口動態」について岩佐さんが話していたことを少しご紹介します。
*経済が成長すると晩婚化・少子化が進む理由
「人口動態」と「経済成長」は連動します。これは日本だけではなく、世界のあらゆる国々に当てはまります。人口は2回、爆発的に成長するタイミングが訪れます。日本でいえば「団塊の世代」と「団塊ジュニア」です。しかし残念ながら「団塊ジュニア」の「団塊ジュニアジュニア」の人口爆発は起こりません。なぜなら経済が成長すると晩婚化と少子化が進むからです。
人口が増えるごとに経済は豊かになっていきます。経済が豊かになると親は子どもの教育にお金をかけるようになります。教育産業が栄え、大学入学者の割合が高くなり、高学歴化が進みます。同時に女性の社会進出が活発になります。結婚・出産以外の選択肢が増え、未婚化や晩婚化が進みます。結果、少子化となり人口が減少してくのです。この「人口動態」の推移はどの国にも共通する原理原則なのですね。
私が小学生の頃(30年前)、日本の人口は1.2億人でアメリカの人口は2.4億人でした。現在、日本の人口は1.2億人(減少傾向)ですがアメリカの人口は3.2億人です。「経済成長」を止めないためにいかに人口を増やしているか(移民ですね)という話です。「少子化対策」は結局のところ成果は難しく、「人口動態=経済成長」を打破するためには、良いか悪いかは別として「移民(人口増)」「資源(これは運)」「戦争(領土拡大・リセット)」あたりしかなさそうです。
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