本当の「カスタマーサクセス」はツールの関係ないところにある?【no.1698】
デジタルマーケティングの領域において、今年のトレンドワードのひとつになりそうなのが「カスタマーサクセス」ではないかと思います。ITやWEBの業界ではすでにカスタマーサクセスという言葉を使っている会社も多々あるようです。恥ずかしながら私(石田)もこの言葉を知ったのは昨年の秋であったのだが、弊社ECMJのサービスを表現する言葉として非常に違い印象を受けました。
カスタマーサクセスをGoogle検索すると、代表的な説明(Google検索の検索結果でトップ枠として出てくるもの)として「カスタマーサクセスとは、サービスを利用中のユーザーが、利用する上で感じる疑問や問題点を、先回りして課題の解決法や情報などを提供して、成功へと導くことをいい、『CS』とも言われることもあります」(原文ママ)とあります。これだと少しすんなり頭に入ってこない部分もあるので、私見も入れて解説をしたいと思います。
*サービスを運用・活用し、成果に繋げるためのカスタマーサクセス
たとえばGoogleアナリティクス、たとえばセールスフォース、たとえば楽天市場、インターネットやデジタルを活用して事業を成長させるためのマーケティングシステム・ツールは多々あります。ただ、Googleアナリティクスのアカウント(ログインID)を作成したり、セールスフォースのアカウントを取得したり、楽天市場に出店したりしても、それだけで事業が成長していくことはありません。
Googleアナリティクスはデータ分析・閲覧のツール、セールスフォースは顧客データ管理と営業履歴管理とそれに伴うデータ分析のツール、楽天市場はネットショップの出店と業務を行うツール、それぞれ果たす役割は別々ですが、運用・活用して事業の成長につなげなければいけない、という点ではどのツール(システム)でも一緒です。
本来であればツール(システム)の提供側がサポートするのが普通ではあるのですが、彼らとしてそこまで手が回りきっていないのが現状です。一社一社、会社にあった活用を考えるとなると、よりハードルが高いのは否めません。サービスのカスタマーサクセスが必要になります。
*サービスを運用・活用する組織と人財を育てるカスタマーサクセス
例として上記にあげたマーケティングツール、Googleアナリティクスやセールスフォースや楽天市場を運用・活用するためには会社の中にマーケティングのためのチームをつくることが必要です。営業部の人間、総務部の人間、制作部の人間が片手間に(時間があるとき、余裕があるとき、気がついたとき)に運用をするというルールでは効果は得られませんし、業務的な優先順位が低く低くなっていきます。
ただ、ご存知のとおりデジタルマーケティングへの展開が事業の次のフェイズへの打開策になっている(ならなくてはいけない)会社が多いはずです。その大きな課題を心の中ではわかっているにも関わらず、どうしても今までのやり方での仕事を優先続けてしまっている会社が多いのではないでしょうか。マーケティングツール(システム)を使いこなす、という以前のデジタルマーケティングに取り組むための組織や人財をフォローするカスタマーサクセスが必要になる理由です。
*本当のカスタマーサクセスはツールの関係ないところにある
ここまでマーケティングツールを運用・活用するための知恵が必要、そのための組織と人財が必要と二段階のカスタマーサクセスを掘り下げてきたのですが、本当に必要なカスタマーサクセスは「デジタルマーケティングの戦略を立てる」というところではないかと思います。つまり、カスタマーサクセスはツールの関係ないところにあります。自社に合ったデジタルマーケティングを考えたとき、「そのマーケティングツールは必要ないよね」ということも十分にありえるはずです。
また、会社によってはGoogleアナリティクスもセールスフォースも楽天市場も導入しているというところもあります。こういった会社にはセールスフォースの運用・活用のカスタマーサクセスを提供するだけでは不十分なのです。大切なのは自社のデジタルマーケティング戦略の中での「セールスフォースの位置づけ」を明確にし、どんなデータ・情報をGoogleアナリティクスや楽天市場に補完すればいいかを考えることなのです。
ECMJのコンサルティングは自社に合った「デジタルマーケティング戦略の構築」から進めていきます。「カスタマーサクセス」という言葉がもっともっと一般化してくれると、非常に嬉しく思います。
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