接触頻度をいかに上げるか。来店頻度をいかに上げるか【no.1629】
(2018年6月のコラムです)
私自身、ネットショップは2005年に前職の会社に入ってから覚えたようなもので、仕事を始める前は「ヤフオク!(旧Yahoo!オークション)」をちょっとやっていたくらいだったんですね。
それがネットショップを運営している会社に入社して、始めてネットショップというものとその裏側を知ることになるのですが、「何でこれをやるのだろう?」と疑問に思っていたのが「プレゼント企画」でした。
あるとき前職の社長(ベンチャーなのでプレイングマネージャだった)に「これって意味あるんですか?」みたいなことを聞いたことがあります。そこで社長に教えてもらったことの話を書きたいと思います。
*「毎月当たるプレゼント」と「毎週当たるプレゼント」
ネットショップではお客様向けにふたつのプレゼント企画をおこなっていました。
ひとつは「毎月当たるプレゼント」。ヴィトンやコーチのバッグが多かったように思うのですが、毎月ひとりのお客様にバッグをプレゼントしていました。もうひとつは「毎週当たるプレゼント」。メールマガジンを読んでくれているお客様向けのプレゼント企画で、メルマガの読者の皆さんだけに応募の権利がありました。ちなみに「毎月当たるプレゼント」は誰でも応募できます。
クリスマス時期には「毎日当たるプレゼント」というものも登場するのですが、「これって意味あるんですか?」は「毎月当たるプレゼント」に向けて質問したのでした。
*プレゼントがヴィトンである理由、そして選べるおまけをつくる理由
まず「毎月当たるプレゼント」のメインプレゼントがヴィトンやコーチである理由。それは「ヴィトンとコーチはマスの層のお客様が欲しいアイテムだから」。つまりブランドとして「広い」ので最初の窓口には最適だろうということでした。
この会社のネットショップではネックレスやピアスなどのジュエリーと、バッグやお財布などの婦人雑貨を販売していたのですが、自社の「ノンブランド」の商品をいくらメインに据えても「ヴィトンやコーチにはかなわない」のだと教えてもらいました。「まず間口は広く」ここがポイントということでした。
もうひとつ。「毎月当たるプレゼント」にはメインのプレゼントが外れた方に向けての「敗者復活戦的なおまけのプレゼント」が用意されていました。自社の商品の中からネックレスやピアス、バッグ、お財布の売れ筋8商品の中から1つを選んで応募してもらいます。社長に教えてもらったのは「まこっちゃん(私のこと)、この選べるおまけがポイントなんだよ」と。
*「もらえるんだったら欲しい」の気持ちからスタートする
メインのプレゼントであるヴィトンやコーチが欲しいお客様でも、敗者復活戦的に「もらえる」ジュエリーやバッグがあるならばページをみて、真剣に選んでくれます。おまけのプレゼントを選ぶために「ページをみてもらう」というのがポイントです。ネットショップに雰囲気が合うお客様ならば「このお店、意外といいな」と気にしてくれるかもしれません。
「毎月当たるプレゼント」に応募してくれた方にはご挨拶のメルマガが配信されます。そこでは「毎月当たるプレゼント」だけではなく「毎週当たるプレゼント」の紹介もあるのですが、これら流れによって「ネットショップのページを見る機会」を増やしていくんですね。「もらえるんだったら欲しい」からスタートした気持ちを「お金を出しても欲しい」にするにはどうするか、これが大切だよと。
プレゼント企画そして付随するメルマガもですが、「お客様との接触頻度をいかに上げるか」「お客様の来店頻度をいかに上げるか」がポイントです。「接触頻度」と「来店頻度」。もう10年以上前に社長に教えてもらったことですが、いまでも掘り下げなければいけない「ファン」への第一歩です。
カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 7.Eコマースのひと工夫