ネットショップの「違い」をつくるために考えたいこと。【no.1406】
違いをつくる、差別性をつくる、ためには。
ビジネスを成長させるためにインターネットの活用が欠かせない世の中になりました。先日参加したセミナーで非常に興味深い話を聞きました。
*お客様の6割以上が、デジタルの情報で取捨選択をしている
BtoBのソリューションを提供している会社の勉強会でした。サービスを導入するお客様の6割以上が「契約をほぼ決定」した上で問い合わせをしてくるというのです。いくつかのサービスを比較検討し、営業さんを呼んでさらに深堀りをする時代ですらなくなっているというのです。お客様が問い合わせをしてくるときのほとんどが「契約をほぼ決定」して連絡をしてくるということです。
しかもこれは2014年のデータです。3年前のデータになります。これからさらに3年後の2020年の予測では、お客様の8割がデジタルの情報だけで取捨選択する時代になるというのです。
*デジタルの世界では比較検討の商圏がなくなる
これからの時代、インターネットの活用が欠かせないのはいうまでもありません。問題はお客様に「口頭での説明やプレゼンテーション」の前に比較検討され、知らないところで議論が起こり、また知らないところで取捨選択が決定されるということです。
インターネット上で提供されるWEBサイトの数は半永久的に増え続けていきます。さらにインターネットには商圏がありません。東京の会社も北海道の会社も韓国の会社もブラジルの会社も自社の競合になります。
半永久的に増え続ける情報×商圏のない市場、普通のことをやっていても競合の前に埋もれてしまいます。いつでも必ず誰かの課題解決にぴったりのサービスを提供できる、そんな「小さくてもキラリと光る」会社を目指さなくてはいけません。やはり、「違い」や「差別性」が重要なキーワードになります。
*まずは自社が持っているもの、培ってきたものをみつめる
違いをつくる、差別性をつくるというと今までおこなってきた仕事と異なる方向を考える方がいるようです。また突飛なアイデアであったり、ナイスアイデアを求めたりする方もいらっしゃいます。「違い」や「差別性」について何か新しいものを求めるのも結構ですが、まずはいま自社が持っているもの、自社が培ってきたものをみつめ直すのはどうでしょうか。
これまで続けてきた事業は、必ず何かの強みによって成り立っているはずです。それは歴史だったり、信用だったり、人財だったり、様々なものが重なっていまの事業ができています。そしていまの事業は生き残ってきた事業です。そこに強みや特徴があるからこそ生き残ってきたわけです。自分たちでは気づかない「違い」や「差別性」が隠れています。
もしかしたら実店舗で販売している商品をネットショップに出し切れていないかもしれません。もしかしたら取引先に潜んでいる商品を掘り下げられていないかもしれません。自社の商品のファンの方への情報発信が足りなすぎるかもしれません。「違い」と「差別性」のヒントは自分たちの足元に隠れています。灯台下暗しです。
自分たちの内側から出せるものがまだまだあるにも関わらず、新しいモノを求めるのは非常に滑稽やことかもしれません。今日から最初の一歩を踏み出す新しいモノよりも、いままで何十年と蓄積してきたものの方が「違い」「差別性」になるのは当然です。
自社を改めて見直すことは恥ずかしく面倒くさいことです。でも、隣の隣の芝生は青く見えるだけ。私から見れば、あなたの芝生が青く見えます。
おわり。
カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 7.Eコマースのひと工夫