ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ネットショップの広告戦略について詳しく書いていきます。4【no.1402】

 ネットショップの広告戦略について詳しく書いていきたいと思います。

 前回はインターネット広告の広告分析について紹介をしました。今回は広告分析をもう少し掘り下げた「広告の方程式」を解説していきます。広告の改善を繰り返すための指標になると思うので、ぜひ活用されてください。

*広告の方程式①:「広告費<広告売上×利益率」

 もっともシンプルな考え方です。インターネット広告をかけた際に、広告から取れた売上に利益率をかけて、それが広告費とバランスしていれば広告が成功したと捉える考え方です。インターネット広告をかけたときに、少なからずの利益が取れるならば継続することは、一概に無しでもありません。

*広告の方程式②:「広告費<広告売上×利益率+新規顧客数」

 方程式①に新規顧客数を加えて方程式②を作成しました。「広告売上×利益率」では広告費の回収ができない、ただ広告をかけたことによって新規顧客が獲得できているならば全体として広告費を回収できていることになる、という考え方です。前回のコラムで紹介したLTVの考え方に近いですね。もっとLTVに近くするならば、方程式③のような形でしょうか。

*広告の方程式③:「広告費<広告売上×利益率+新規顧客数×平均リピート回数×客単価×利益率」

 少し新規顧客を獲得したことによる成果の変化をわかりやすくしました。広告掲載によって獲得した新規顧客が平均してどれくらいリピートしてくれるのか、その際の客単価はどれほどのものなのか、また商品の利益率はいかほどか、広告をかけた以降の数字を加えることによって広告費の回収を評価することができます。ここまでの数字を分析すると、実は回収できている広告は意外と多いかもしれません。

*広告の方程式④:「広告費<受注件数×客単価×利益率」

 少し矛先を変えて、方程式①を因数分解してみました。広告売上は広告経由の「受注件数×客単価」で計算することができます。この部分は通常のネットショップの売上の公式である「売上=受注件数×客単価」と一緒です。となると、受注件数は次のように分解することができます。

*広告の方程式⑤:「広告費<アクセス数×転換率×客単価×利益率」

 ネットショップの売上の公式「売上=受注件数×客単価」の受注件数は「アクセス数×転換率」に因数分解することができます。「アクセス数×転換率×客単価×利益率」の数字が広告費を超えていれば、広告費を回収できているということになります。もちろん「広告費<アクセス数×転換率×客単価×利益率+新規顧客数×平均リピート回数×客単価×利益率」ここまで深堀りしてもらっても構いません。広告の方程式③と全く同じ概念になります。

*広告の方程式⑥:「広告費<表示回数×クリック率×転換率×客単価×利益率」

 アクセス数を「表示回数×クリック率」と表現しました。広告を経由してネットショップにお客様がアクセスする経路を考えると、「広告としてパソコンの画面に表示される」「お客様が広告をみてリンクをクリックする」というふたつの現象があるわけです。前者を表示回数と表現し、後者をクリック率と表現しています。「表示回数×クリック率」は「=クリック数」とも表されます。インターネット広告活用の場合、この「クリック数=アクセス数」になるということです。

 以上、広告の方程式を紹介してきました。実はもう少しこの広告の方程式が続きます。頭が混乱しそうなくらい複雑ですが、頑張って整理をしていきましょう。広告改善→成功のポイントは「因数分解」にあります。

 つづく。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 8.Eコマースの集客

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから