ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

オンラインショップの利益率はこうやって決まっていく【no.1339】

 オンラインショップの利益率はいかほどになるのか。

 オンラインショップの利益率は取り扱う商材や開設するプラットフォーム。そしてオンラインショップの販売戦略によって異なります。今回のコラムではオンラインショップの利益率を考える際のポイント。そして利益率を上げるための考え方を解説していきます。

*システム利用料を考慮する

 オンラインショップが最終的にどれくらいの利益を残せるか。オンラインショップは販売価格から商品原価を引いた金額がそのまま利益にはなりません。商品原価の他にオンラインショップならではのコストがかかります。

 ひとつはシステム利用料です。オンラインショップのシステムを利用するための金額。またオンラインショップの売上毎に課金されるロイヤルティ。そしてクレジットカード決済の料率もシステム利用料と考えましょう。システム利用料には固定費・変動費の両方があります。これらまとめて売上の10%程を見込んでおいた方が良さそうです。

*物流費と運営固定費の考え方

 実店舗ではお客様が購入した商品を自分自身で持って帰ってくれます。しかし、オンラインショップの場合はほぼ100%物流のラインに乗ることになります。物流費は発送の件数毎に金額がかかります。また物流の作業をしてもらうアルバイトさんも物量比で必要になります。アルバイトさんの人件費も計算しなくてはいけません。

 EC事業単体としての利益率・収益性を考えるれば、運営チームの人件費・オフィス賃料・インフラ代などもコストとして計上した方が良いですね。

*売上と運営効率が上がれば、販管費率は抑えられる

 物流費と運営固定費は売上と運営効率を上げていくことで圧縮することができます。ここが変動費であるシステム利用料との違いです。

 物流費は倉庫のレイアウトや物流のラインを整理すること。またアウトソーシングの会社を活用することで効率化が可能です。また、売上比での担当者を増やさなくて良いこともオンラインショップの特徴です。オンラインショップは成長するほど販管費率は下がっていきます。売上が5倍になっても、人員を5倍にする必要はありません。

*広告費率に注意する

 システム利用料、物流費、運営固定費の他にオンラインショップの利益率を左右するのが広告費です。オンラインショップの存在を知ってもらうために活用する費用です。使おうとすれば際限がありません。

 最近は広告費をあまり使わないオンラインショップが増えたように感じます。私の運営者時代は月商に対する10~15%を広告費に使うオンラインショップが多いように感じました。現在は月商に対する5~10%のオンラインショップが多いのではないでしょうか。

*オンラインショップで利益を出すためには

 最後にEC事業単体で高い利益率を出すためのポイントのまとめです。そもそもの商材の商品原価が低いこと(高く売れる商品であること)。広告を使わずにお客様に知ってもらうこと。基本的にはこのふたつです。このふたつを両立できれば高利益率を実現することができます。

 前者についてはECをスタートさせた時点で半分勝負が決まっているといえます。オンラインショップでどんな商品を売るか、オリジナル品か仕入れ品か。自社が足を踏み入れた市場である程度利益率が決まります。後者については実店舗やブランドなど「リアルでの認知」があれば集客が有利です。広告を使わずにコンテンツマーケティングやSNSを活用するという手もあります。

 EC事業で株式公開をした会社でも最終利益が5%しか残らない・・というのが普通です。安くつくって高く売れる商品を開発する。またはリアルでのブランド認知がある。実店舗と在庫が共有できる。こういった会社がECの世界でも有利なことは変わりありません。

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カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 3.Eコマースの収益アップ

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから