ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

競合ネットショップの売上を把握するための方法【no.1331】

ネットショップは外側からどれくらい売れているのかを見ることができません。「ウチの競合はここなんだけどなー。どれくらい売れてるのかなー」と思うんですが、ネットショップの中をみることができないので困ってしまうんですよね。

これが実店舗だったら、お店の前に一日張り込んで何人のお客様が入っていったか、何人のお客様がお店の紙袋を持って出てきたかを確認することができます。お店の中に入ってみて、どのコーナーにお客様が集まっているかとか、何人のお客様が商品を手に取ったかとかも確認することができます。実際にやるのは大変そうですが。

では、ネットショップの売上をどうやって把握すればいいか。今回のテーマです。

POSレジのレシートをみる。

実店舗でよく使われる売上を予測する方法があります。POSレジが発行するレシートの番号を見ることです。POSレジでなくてもレシートに発行番号が印刷されていることが多いと思います。これが売上を予測するためのヒントです。

まず開店直後に実店舗で買い物をします。レシートには当日の最初の注文のレシート番号が発行されます。そして同じ日の閉店直前にまた同じ実店舗で買い物をします。レシートには当日の最後の注文番号が発行されます。

最初のレシート番号と最後のレシート番号の差が、その日の注文数ということになります。

ネットショップの「レシート番号」とは?

実店舗のレシート番号がネットショップでいえば何になるかといえば「注文番号(受注番号)」です。お客様から注文をいただいた際に、ネットショップのシステムが各々の注文に対して自動的に発行する番号です。

実店舗のレシート番号と同様、この注文番号も通し番号になっていることがほとんどです。「ほとんど」と書いたのはネットショップのシステムの作り方で外からわからないように「ランダムな番号」にすることができるからです。ただ、ほとんどのネットショップでは規則性のある通し番号になっていると思います。

同じように0:00に注文を入れ、23:59に注文を入れ、その注文番号の差分を計算すれば「その日の注文件数」を知ることができるはずです。

自社と同じカテゴリなら客単価はわかりやすい。

売上は「注文件数×客単価」で計算することができます。注文番号の差を計算することで得られるのは「注文件数」の情報です。ここからのポイントは「客単価」をどうやって予測するのかということになります。

もし分析対象のネットショップが自社と同じような商品を同じような価格帯で販売している会社ならば、客単価の予測は難しくありません。ひとつは自社と同じ金額の客単価と考えます。もしくはブランド性に違いがある場合、「自社の客単価×0.8~1.2」で客単価の幅を予測すれば大間違いはありません。ブランド性が大きく異なる場合は除きます。

異なるカテゴリ予測の注意点。

問題は自社と同じカテゴリの商材ではない場合です。客単価を予測することのポイントになる要素は「売れ筋商品」です。ネットショップの注文は「売れ筋商品」に偏る傾向があります。「売れ筋商品の販売価格×1.2~1.4」が客単価の予測でしょうか。少なくとも売れ筋商品の販売価格を下回ることはありません。

客単価のもうひとつのポイントは平均の「同一カゴ購入数」をどう読むかです。ここは商品のカテゴリが左右します。お客様が1点で購入をするのか、複数で購入するのか。正直、ここは私も完全にはわかりませんが複数でも9割方、同時購入数は2.0~3.0点の間です。またこれも経験上ですが、客単価は2,000円を下回ることはありません。(特別なキャンペーンでなければ)

おわり。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 7.Eコマースのひと工夫

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから