ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

「ネットのルール」に合わせて、ネットショップの運用体制をつくる【no.1265】

 あんまり強くいうのははばかられることなんですが、ネットショップの運営担当スタッフの方は、土日も出勤した方がいいと思うんですね。

*インターネットという市場のルールに合わせる

 いや、週7日、365日毎日出勤しようと言っているのではなくて、みんなで手分けをして、シフトを組んで土日にも対応できるような体制をつくっておいた方がいいんじゃないかと思うんですよ。なぜかというと、ネットショップは常に動いているものだからなんですね。

 繰り返しになりますがブラックを推奨しているわけではありません。ネットショップは24時間365日、ショッピングを楽しむことができる仮想店舗です。そこには時間という概念はないですし、商圏という概念もありません。

 昨今「越境EC」なんて言葉もあったりして、海外からの注文を受けよう!みたいな仕組みも整っていると思うのですが、だとしたらお客様からの問い合わせも「時間」「商圏」関係なく受けられるようにしておいた方がいいと思うんですよ。日本人にとっての土日は、他の国の人たちにとっては金土だったりするわけだし、日本人にとっての夜も、他の国の人たちにとって昼間だったりするでしょうから。

 インターネットという市場のルールに、仕事の体制も近くした方がいいのではないか、という意見です。それが土日も出勤した方がいいんじゃないか?に繋がっています。

*世界中の外的要因をキャッチするため

 もうひとつ、ご存じのとおりネットショップの売上というのは外的要因に影響されることがあります。商圏のあるビジネスであれば、外的要因がおよぼす影響範囲も商圏内に限られます。でお、ネットショップには商圏がありませんから、何かの外的要因が起こったときに日本中、世界中からニーズが集まってくる可能性があるんですね。

 わかりやすい例でいうと、ネットショップで取り扱っている商品がテレビで紹介されたりすると、ネット検索からお客様が一気に集まってきます。ネットショップにとってはちょっとしたバブル到来状態になるのですが、もしこれが土曜日の午前中に起こったとしたらどうします?という話です。

 仮に平日の昼間にこの外的要因が起こった場合、いきなり大量の注文メールが送られてくるので「何かあったぞ」ということがわかります。はっきりとした原因が掴めなくても、お客様の買い方や検索キーワードなどで何となく予測ができるはずです。在庫を追加したり、仕入れ先に問い合わせて在庫をおさえたりすることもできるでしょう。テレビで紹介された旨をサイト上でうたうこともできます。

 同じことが土曜日の午前中に起こったとしたら・・。本来であればネットショップにとってチャンス到来です。しかし、ネットショップが稼働していてもオフィスに誰もいなければ、対策の打ちようがありません。そもそも、外的要因が起こったことすら気づくのは翌営業日の月曜ということになります。すでにバブルがとおり過ぎている可能性もあります。

*実店舗をやっている会社がネットも有利

 実際にはネットショップの担当責任者だったり、経営者だったりが土日もこそこそ注文をチェックして、外的要因を探したり、在庫を足したりしているものですが、必ず対応できるわけでもないでしょう。そう考えると、ネットショップチームは上手くシフトを組んで、土日も担当者が対応できるようにしておいた方がいいと思うのです。

 この点で実店舗をやっている会社がネットショップを運営するのは、実は有利だったりします。実店舗は土日も営業している、むしろ土日の方が体制の整っている場合もありますから、平日と同じように土日も外的要因に即対応することが可能なのです。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 7.Eコマースのひと工夫

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから