「お客様はこの商品を何と表現して探すか?」を考える、吸い上げる。【no.1209】
お客様に自社のネットショップの存在に気づいてもらうためには、商品軸で知ってもらうか、情報軸で知ってもらうかの2パターンしかない、というのは何度か書いているかなと思います。
ほとんどのネットショップの場合、現実的には情報軸でのお客様に知ってもらうのはかなりの努力と根性が必要になるので精神的体力的に難しく、商品軸でお客様に知ってもらうのが基本線になると思います。それも、一部のブランド認知がないネットショップであれば、ショッピングモールを経由した商品軸での「検索」になるわけですね。
お客様が商品を探す。これを考えるときに大切なのが、「お客様はどうやってこの商品を探すか?」という視点です。型番とか商品名とかブランド名とか、そういうキーワードはだいたいのネットショップが押さえていて、じゃあ他の付加できるキーワードは何かね、ということを考えなければいけないですね。もちろん、そこにもさらに競合がいるので深掘りし続けていかなきゃいけない。
ひとつのポイントとして重要なのが「お客様はこの商品を何と表現して探すか?」ということです。型番や商品名やブランド名をお客様が知っているならばそれで検索するんでしょうけども、たとえば「テレビで一瞬見かけた」とか「数週間前の雑誌に載ってた気がする」程度では、正式な名前まで覚えていなかったりもします。「あー、あれ何だっけかなー」というやつ。
それにお客様自身がそもそもの正式名称を知らないパターンもある。この前、こんなことがありました。シュガーポットって知ってますか?
シュガーポットっていう言葉を聞いて「あーあれね」という方は少数派なのではないかと思います。コーヒーショップではなくていわゆる喫茶店にいくと、テーブル毎に砂糖が入っている銀色の入れ物があるじゃないですか。あれがシュガーポットって言うんですね。誰しもどこかで見かけたことはあると思うんですが、この正式名称はなかなか出てこないと思います。
喫茶店をやっている方や喫茶店をこれから始める方、お店をやっていなくても自宅でコーヒーや紅茶を飲むひとときにこだわりのある方は、このシュガーポットをインターネットで探すと思うんですが、シュガーポットって名前が出てこなければ、どうやって探しますかね?あくまで私だったらですけど、「砂糖入れ 喫茶店」とかで探す気がします。
こういうことって、自分は気づかなくてもいろんな場面で起こっています。なんで自分が気づかないかといえば、プロだから、当たり前と思ってしまっているから。知れば知るほど、一般の方との差が広がっていってしまうわけですね。だから、お客様からの問い合わせでお客様が「なんと表現しているか」は注意しなくてはいけないのです。
もしも実店舗もやっていてネットショップもやっている会社ならば、情報は二倍です。実店舗からはお客様の生の情報をゲットすることができます。「あれ、あの、喫茶店に置いてある、砂糖が入っている銀色の・・」なんて表現をして商品を探しているはずです。
実店舗の情報をネットショップに活かす。ネットショップの情報を実店舗に活かす。ネットショップの場合、メールという形で情報を残すことができますが、実店舗の場合はお客様の言葉は空中に消えてしまうので「お客様と会話をしたら、逐一気づきをメモする」ことが大切です。
―――なーんてことはみなさんすでに気づいていて、本質的な課題は、この「お客様と会話をしたら、逐一気づきをメモする」を社内に徹底できない、やり抜けないことなんですけどね。
おわり。
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