Eコマースの市場の変化について、改めて振り返ろう。三【no.0757】
Eコマースの市場の変化について振り返りたいと思います。(前回はこちら)
前回の続きです。こちらのブログですが、2011年前半までの振り返りはネットショップ運営担当者、スタッフの立場から、2011年後半からの振り返りはコンサルタント、経営者の立場からの視点になってしまうことをご了承ください。
2006年から2008年にかけて、ネットショップの「販売チャネル展開」が盛んになってきた時期でした。やはり楽天市場のパソコンのネットショップに注力する会社が多かったですが、楽天市場のモバイル店に力を入れるショップが出てきたり、Yahoo!ショッピングにネットショップを出店するショップが増えたりしてきました。
DeNAがモバイルのショッピングモールに力を入れ始めたのも、この頃だったと思います。DeNAのショッピングモールは昔は「ビッダーズ」という名前だったんですよね。憶えている方も多いと思います。懐かしいですね。
ネットショッピングを楽しむお客様は爆発的に増えていましたが、当時はいまのようにお客様が「様々なショッピングモールを回遊して購入を決める」という感じではありませんでした。
楽天市場を利用しているお客様は楽天市場だけ、Yahoo!ショッピングを利用しているお客様はYahoo!ショッピングだけ、ビッダーズを利用している人はビッダーズだけ(ここはそこまででもなかったかな!?)、というように各々のショッピングモールに各々別のお客様がいるようなイメージです。なので、「チャネル展開」をおこなうことは、そのまま現在の売上のプラスオンになりました。(現実にお客様の動きはどうだったか不明ですが、運営者としてはそう感じていました)
「販売チャネル展開」が進むと、チャネル展開に対応したシステムが必要になります。楽天市場、Yahoo!ショッピング、ビッダーズ(DeNAショッピング)、あと出始めのAmazonの注文を横断的に管理できる受注管理システムソリューションが出てきました。
受注だけではなく、物流やカスタマーサポート、入金管理などのEコマースの通常業務についても、ショッピングモールから吐きだした異なるCSVデータをいかに加工し保管・保存するかが、大きなテーマのひとつになりました。良いか悪いかは別として、ここをクリアすることができないために楽天市場1店舗だけでネットショップを運営し続けるショップもありました。自社のEコマースのビジネスモデルに合わせて、いかにシステムを拡張していくか。Eコマース業界の新しい課題です。
この頃のショッピングモールは、とにかく早めの参入が「吉」でした。ネットショッピングのユーザーは増え続けていましたし、各々のショッピングモールに固有のお客様がいましたから、早く参入した事業者はユーザーを独占することができるわけです。
楽天市場のパソコン店も楽天市場のモバイル店もYahoo!ショッピングもビッダーズも必勝法はシンプルです。早めに参入し、店舗を早く立ち上げ、一番高い広告をかける。これが基本線。広告費の数倍の売上が戻ってくるだけでなく、顧客リスト(メールマガジンの配信リスト)と検索順位(ショッピングモールの検索エンジンで上位に表示される)が手に入ります。この状態になると後発のネットショップよりもはるかに運営上有利な状態になりました。
しかし、楽天市場のパソコン店、楽天市場のモバイル店、Yahoo!ショッピング、ビッダーズ(DeNAショッピング)と時間を追うごとに、そのような『オイシイ』期間は短くなっていったのです。
つづきはこちら。
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