詰まるところ、人財を何人抱えることができるか。【no.0217】
詰まるところ、会社が成長するか否か、また売上をどれくらい伸ばせるかは、事業を任せられる人財を何人抱えることができるかによります。ネットショップであれば、店長を任せられる人財が何人いるか、ということです。
たとえば、牛丼のチェーン店を運営している会社です。出店している全ての店舗が黒字であれば、その会社は黒字です。そして、新しく出店する店舗が黒字になるなら、その会社は市場規模の限界まで店舗を広げていって事業を拡大することができます。店舗を黒字化するのは、店舗責任者の役目です。当然、牛丼のチェーン店の出店後、半永久的に黒字が確定しているなんてことはありません。店舗の責任者が、日々運営を試行錯誤しながら業務の改善を行い、数字と格闘しながら、その店舗・スタッフにあった成長のポイントを見つけ出し、黒字にするわけです。大切なのは、黒字化するまでこの「手探り」を続けることができる人財がいるか、ということです。逆に言えば、このような人財を確保できるのであれば、市場規模の限界まで事業を拡大できるということになります。もちろん、人財の確保は「採用」でも「育成」でも構いませんが、より自社でノウハウを蓄積でき、また再現性があるのは「育成」ということになるでしょう。
さて、これからの時代です。モノと情報が溢れた時代になっているのはご承知の通りです。買いたい人よりも売りたい人が多い時代、知りたい人よりも伝えたい人が多い時代、という表現もできるのではないでしょうか。こんな時代は、常にお客様の側に多くの選択権があり、お客様自身が好みであるモノや情報「だけ」に触手を伸ばす、ということになります。つまり、マスの終焉です。数日前にTRFについて「みんなが知っていることの価値」というブログを書きましたが、テレビでプロ野球を見て、カウントダウンTVを見て、ジャンプを読んで、みんなで月曜日に同じ話題で話す、みたいな時代はとうに終わっているわけです。情報ではなく、モノという点でも然りです。カルピスのような、1商品で数百億の売上があって、国民みんなが知っている、みたいな商売を立ち上げるのはこれから非常に難しくなります。(ちなみに、カルピスのことを全く悪く言っているわけではないので、あしからず‥)
となると、お客様をどこに絞るのかということが以前にも増して大切な世の中になります。お客様に選んでもらえるのは1つだけです。どうやればその1つになれるかと考えれば、ひたすらセグメンテーションを行い、場合によっては1to1の域まで、お客様を絞らなければいけません。1つの商品を、みんなで頑張って100億円売る時代から、100の商品を1億円ずつ売らなければいけない時代になります。当然です。お客様の趣味嗜好にバッチリ合わないと、選んでもらえないわけですから。そして、100のセグメンテーションのお客様に満足してもらうためには、100のセグメンテーション分の事業を任せられる人財が必要になります。これまでは隊長の指示により動いて売上をつくっていた陸軍式のビジネスモデルを、ひとりひとりの自律に任せる空軍式のビジネスモデルに変えなければいけないということです。100人の事業責任者にいちいち指示をするわけにはいきません。状況を判断して自分で決めさせ、「手探り」をしてもらわなければいけないわけです。
そう考えれば、これからの時代はより会社の成長・売上の拡大は、「優秀な人財を何人抱えることができるか」が勝負のポイントになるわけです。セグメンテーションが細かくなればなるほど、市場規模は小さくなっていきます。いかにお客様を絞れるか、絞られた市場をいくつ抑えられるか。ニーズに対してきめ細かいサービスを提供するには、「手探り」を続けられる人財を増やすしかありません。「人財の数=売上」となる時代の到来です。
おわり。
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