目的を本当に実現するため、工程をイメージし、スケジューリングする【no.0854】
ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら)
「どうりで麻間(あさま)さんにしては、宿題の提出期限が長いと思ったー!」
七海さんが頭を抱えていいました。
麻間さんの出した宿題は、おにぎり水産ネットショップ「笹かまオニギリ」のカイゼンアイデア全34項目を年間スケジュールと月間スケジュールに落とすことだけではなく、この全34項目の具体的な工程をイメージしてそれをスケジューリングすることだったのです。
「いや、でも七海。これ早めに気づくことができて良かったかもしんないよ。これに気がつかなかったら、たぶんウチら、この34項目に1ヵ月で取り掛かるようなスケジュールを組んでたかも・・」
友花里さんは胸をなでおろす素振りをしました。「やると決めたことはやる」。麻間さんとそう約束したことが心に残っているからこそ、友花里さんは安心感をもったのでした。
「ポジティブにいえばね。あくまで、ポジティブにいえばね」
七海さんはまだ納得がいかない様子でしたが、「まあ、さらっとやっちゃおうか。わからない部分はわからないわけだし」と突然気持ちを切り替えて、ホワイトボードに向かいました。
それから一週間をかけて、七海さんと友花里さんはカイゼンアイデア全34項目の年間スケジュールと月間スケジュールを作成しました。七海さんは普段のネットショップの運営、友花里さんは実店舗の運営をしながらだったので、毎日18時の実店舗閉店後から残業です。見かねた鬼切社長が、七海さんと友花里さんのために健康ドリンクを差し入れしたぐらいでした。
作成した年間スケジュールと月間スケジュールを麻間さんにメールした翌週が、麻間さんとのネットショップ運営会議でした。麻間さんがおにぎり水産の会議室の席につくなり、七海さんがいいました。
「麻間さ~ん。このスケジュールつくるの本当に大変でしたよ。私たちのこと褒めてくださいよぉ~」
麻間さんは「いやいや、素晴らしいですよ」とニコニコ笑いながら、それでもキツイひと言をいいました。
「でも、スケジュールをつくることがカイゼンではないですし、売上に繋がることではないですからね。ここからスケジュールどおりに実践して、はじめて成果に結びついていきます。もちろん、成果に繋がらない可能性もあります。そうしたら、さらにカイゼンです。まあ、今回がスケジュールをつくるのは初めてだったと思うので、大変でしたね。大丈夫です。じきに慣れますよ。だって、月間のスケジュールは毎月つくることになりますから」
七海さんは口を尖らせて、不満そうな態度を取りました。友花里さんが麻間さんに質問をしました。
「麻間さん、私たちがカイゼンアイデアを出しているときに、気づかれていたんですか?もっと工程を細かくしないとできないってこと」
麻間さんは七海さんの方から、友花里さんの方に向いてこたえました。
「ははは。もちろん気づいていました。工程を細かくしないとできない、というか、工程を細かくしないと実行にうつせないだろうとは思っていましたね。でも、これってどの会社でも当たる壁だと思いますから」
友花里さんにはスケジューリングが大変だったことの不満はすでになく、麻間さんの出した宿題の狙いが気になっていたようでした。
「具体的な施策の内容、そしてそのスケジューリングときて、もうひとつネットショップをレベルアップさせるためのセットとして紹介したいものがあります。『やることと期限はセット』だと前回のミーティングでお伝えしましたが、本当にセットなのは『やること』と『期限』とあともうひとつの3つです。そしてそれはネットショップだからこその重要なポイントになります。わかりますか?」
麻間さんは急に真剣な顔つきになり、七海さんと友花里さんを交互にみました。
つづきはこちら。
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