時間をかけなければ時間はかかり続け、時間をかければ時間はかからなくなります。 【no.0015】
具体的な手法の話をしましょう。十人のスタッフの皆さんの前で、事業責任者が月例の戦略会議をした後、十人のスタッフの皆さんの中で会議の内容を十分に理解している二人(主にマネージャーかと思います)を、フォロー担当に任命します。
その二人が、残りの八人を四人ずつの二つに分け、戦略理解のフォローを行うわけですが、この時、一時間を使って四人と会議をしてはいけません。十五分ずつ、四人と一人一人会議をし、戦略理解のフォローと「では、あなたは今月どんな仕事をするべきだろうか?」を「一対一」で共に考えていくのです。(ちなみに、厳密に言えば、「考えてもらう」の方が正しいです。あくまで考えるのは当事者で、フォロー担当は引き出し役になります。)
もし仮に、十人のスタッフの皆さんのうち会議の内容を十分に理解しているスタッフの方が一人もいない、という場合、答えは簡単です。十人のうち、素養がありそうな二人を選んで、一人ずつ「一対一」で一日三十分間のコーチングを数日繰り返すのです。「一対一」で、目の前の相手が理解できていない部分を着実にフォローしていけば、必ず十分に理解してもらうことができるはずです。
前回今回と、「一対一で接する」をテーマに記載しました。セオリーは一つですが、人の理解は十人十色、一人一人異なります。着実にステップアップしてもらうために、いかにして「一対一」の状況をつくるか、ぜひ考えてみてください。時間をかけずに効果が薄いことを続けるよりも、時間をかけて確実に効果を残していく方が、実は近道なのです。別の言い方をすれば、時間をかけなければ時間はかかり続け、時間をかければ時間はかからなくなる、というわけです。
つづく
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