ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

拡大期の課題になるネットショップ運営の7つの業務【no.0368】

 ネットショップの規模別の課題「月商500万円」のフェイズ。(前回はこちら

 前回のブログで書いたとおり、ネットショップの月商500万円のフェイズに到達すると、多店舗展開、ブランド展開を積極的に行っていくことになります。そのために、広告戦略や人材育成の他に必要になるのが、組織の拡大に対応するための仕組化、マニュアル化です。ネットショップ運営の7つの業務について、拡大期の課題になる事項について紹介していきます。

*商品企画・商材開拓
 ネットショップの多店舗展開を推進していく場合は、これまでと同じ体制で構いません。ただし、販売チャネルの特性を読んで企画に変化をつけたり、仕入れの数を調整する仕事が加わります。ブランド展開を進めていく場合は、ネットショップのコンセプトごと各々にバイヤーを充てていきたいところです。同じ人間では、どうしてもショップの差別性が薄くなります。

*制作
 商品企画・商材開拓と同様に、多店舗展開を進めていく場合は、特にこれまでと体制の変更はありません。広告画像の制作や広告ページの制作については、販売チャネルの規約により微妙な調整が必要になります。ブランド展開を進めていく場合は、できればテイストが異なるように制作の担当者を分けたいところです。

*集客
 多店舗展開を進める場合は、販売チャネルの特性と導線を理解してマーケティング活動を展開する必要があります。ブランド展開を進める場合は、そもそもこれまでのネットショップとは「異なる」お客様にアプローチをするわけですから、顧客像(ペルソナ)を立て、どのような思考と行動、それに伴う検索によってネットショップにアクセスしてくれるのかをイチから想定していきます。

*運営
 多店舗展開、ブランド展開ともに、販売スケジュールを立てるのは事業責任者で構いません。販売スケジュールを立てた上での、日々の数値と施策のチェックは個々のネットショップの店長が行っていきます。特にブランド展開は、対象にしているお客様が違うわけですから、メールマガジン等の施策のテイストも異なってくるはずです。

*システム・DB(データベース)
 多店舗展開、ブランド展開のデータを管理するために、複数の顧客データベースを立ち上げる必要があります。それまでの処理システムを活用して、ネットショプの店舗数分のシステムを構築していきます。注文処理の担当者が増えるので、マニュアルを作成してください。システム開発に自信を持つ会社であれば、複数のネットショップのデータを一元的に管理する仕組みがつくれるはずです。

*物流
 ブランド展開で取り扱う商品により、物流の拠点を変える選択もありますが、基本的には同一の倉庫で発送を行います。多店舗展開、ブランド展開を進めると、梱包時に付属するショップカードや封入物、納品書が変わってきます。発送のデータが混同しないように、データの出し分けに注意してください。

*カスタマーサポート
 多店舗展開、ブランド展開に対して、専任の担当者を置くのが理想です。複数のネットショップのカスタマーサポートを少人数で行う場合(例えば、5つのネットショップを2人でサポートする場合)、処理を入力するデータベースや、対応店舗の署名などを混同しないように気をつけます。メール問い合わせの返信状況を見える化するために、専用のメールソフトを導入するのも良いでしょう。

 それぞれに専任のスタッフを置きたいところですが、コストバランス上、現実には難しいと思います。月商500万円のフェイズに入り、多店舗展開・ブランド展開が進むと、売上の合計が月商1,000万円、1,500万円と増えていきます。仕組化、マニュアル化の先手を打ちながらネットショップの運営を進めてください。決して、人海戦術にならないように。人海戦術になると、後が大変です。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから