実店舗を利用した方のためにも、ネットショップで顔と名前を出そう【no.0805】
ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら)
「七海、もしかしたらここが麻間(あさま)さんのいう『お尻』なのかも・・」
友花里さんはマウスを握る七海さんの手を押さえていいました。七海さんは咄嗟に「どゆこと?」と友花里さんに聞き返しました。
「だから、ネットショップの『お尻』って、商品を選んで注文をしてもらうまでのところじゃないかなと思って。いま七海がこのネットショップの『会社概要』をみていたように、『どんな会社、どんな人がネットショップを運営しているか』は必ず気になるところなんじゃないかなと思って」
友花里さんは七海さんのマウスを取り、ページの「戻るボタン」を押して、ノートパソコンのブラウザにこのネットショップの会社概要を表示させました。
「私たちって、ある程度ネットショッピングに慣れてるじゃない。それでも、やっぱり変なサイトだったら怖いから会社概要とかチェックするんだと思うんだけど、私たちよりもネットショッピングに慣れてないお客様はきっともっと警戒をするんじゃないかなと思って。特にさ、おにぎり水産の工場見学に来てくれるお客様って、お父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃん世代の方が多いじゃない」
「ネットショップで商品を買うのが初めてっていう方もいるだろうね」
七海さんがボソっといいました。友花里さんはそれに合わせて「そうそう」といいました。
「だから、まずは『どうやったら初めてのお客様が不安なく笹かまオニギリを利用してもらえるか』っていう部分からカイゼン策を考えてみない?それが麻間さんのいう『お尻』ってことだと思うの」
「なるほど。そうね。そこでアヤしまれたら、いくら笹かまぼこが美味しかったとしてもネットショップで買いたくないもんね」
七海さんと友花里さんはいくつかのネットショップをみて、『お客様を不安にさせない』の観点から『笹かまオニギリ』のネットショップに足りないものを探すことにしました。
アイデアをホワイトボードに書き残していくと、『お客様を不安にさせない』の視点にはいくつかのパターンがあることに気がつきました。
ひとつは、配送情報。いつ商品が発送させるのか、どういうカタチで商品が発送されるのか、日付指定ができるのか等は、お客様に目立つように明示しておくことが重要だと感じました。また、決済情報。それまでは「お買い物カート」に進んでいかないとどの決済方法が選べるかがわかりませんでした。これは購入前に事前に知らせておかないと、お客様にとって不便だと感じました。
その他、取り扱っている商品が食品であることから賞味期限に関する表記、返品・交換に対応できる条件やカスタマーセンターの電話番号も、お客様の立場に立ってみると少々わかりづらいのではないかと思いました。
また、会社概要についても情報が不十分だと感じました。「おにぎり水産」という名前だけではなくて、「笹かまオニギリ」の実店舗に関する表記や、おにぎり水産笹かまぼこ工場の写真なども載せるとよりお客様が安心して購入してくれるのでは、という話になりました。
「けっこう出たね。このくらいでひとまずはいっかな」
ホワイトボードへの記入役を担当していた七海さんがいいました。「いや」。そこに重ねて友花里さんがいいました。
「私たちの顔と名前もネットショップに出した方がいいよね。ネットショップの『笹かまオニギリ』のお客様は『実店舗の笹かまオニギリを利用した方』を中心にしてるじゃない。だったら、私たちの顔と名前をみて、より安心して買ってくれるお客様もいると思うの」
「それって、実店舗での対応、私たちがちゃんとしないと、諸刃の剣だね・・」
七海さんがいいました。友花里さんがいいました。
「そう。責任重大よ」
つづきはこちら。
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