問題の本質は、「続けられない」こと。 【no.0102】
問題の本質は、「続けられない」こと。
以前のコラムで、マイケル・ポーターが語った「戦略とは」について書きました。これと決めた信念を徹底することこそが「戦略」です。実は「戦略」とはそれだけのことだという話です。
*多くの人が悩んでいるのは「続けられない」こと
この「戦略とは」を聞いて思ったのは、「人は続ける方が難しい」ということです。弊社のコンサルティングの考え方も、この「人は続ける方が難しい」が原点にあります。多くの人が悩んでいるのは、「どうすればいいかがわからない」ではありません。「続けられない」ことではないでしょうか。
ほとんどの人は、「どうすればいいか」は実は知っているはずです。コンサルティングの相談をいただいたとき、こちらから「売上をあげるためにはどうすればいいですかね?」と質問をします。「WEBサイトへのアクセスを増やせばいい」「客単価が上がれば売上も上がる」「もっと良い商品を仕入れる」など、答えは出てきます。「アクセスを増やすにはどうすればいいですかね?」と聞けば、「SEO対策をする」「メールマガジンを送る回数を増やす」「ソーシャルメディアアカウントをつくってそこから誘導する」など、各々を実践したときの効果は別として、きちんとした答えは返ってきます。
*「どうすればいいかがわからない」は怠慢
そもそも「売上をあげるためにはどうすればいいか?」を知らない場合もある。そんな意見もあるかもしれません。でも、「どうすればいいか」を知らない場合、「知ってそうな人に聞いてみる」「知ってそうな人を知ってそうな人に聞いてみる」「無料のセミナーに参加してみる」「マーケティングに関する本を10冊読む」「思い切って運営会社に電話して、ヒアリングの時間をもらう」など、「売上をあげるためにはどうすればいいか?」のステップは頭の中のどこかにあるわけです。
だから、やっぱり問題は「どうすればいいかがわからない」なのではないでしょうか。「どうすればいいかがわからない」は単なる怠慢とも言えるかもしれません。ほとんどのことはどこかの誰かが知っていることです。全く新しい事象で糸口さえ見えない、なんてことはまず無いはずです。いきなりの解決は望めなくても、1センチずつ解決に近づく方法はあるでしょう。
*問題の本質「掘り下げる」ことの重要性
やはり、ほとんどの人は、「どうすればいいか」は知っているはずです。しかし、知っていることを実践したところで「本当に成果が出るのか」がわかりません。だから不安で動けなくて、「どうすればいいか」を聞きたくなるんですよね。でも、ここが大きな間違いで、考え方を改めるしかありません。知っていることを実践しても、「100回実践するまで成果は出ない」と。もちろん、100回というのは「たくさん」という表現です。
たとえば「アクセスを増やす」というテーマ。SEO対策もそう、SNSもそう、やったらいきなり効果が出るはありません。何回も実践を繰り返して、サービスとお客様との間のチューニングができたら成果が生まれてきます。だから、必ず「ただし、チューニングし続けられた場合」という条件がつくのです。「どうすればいいですか」の質問は、「チューニングされた状態」を知りたいのでしょう。こればっかりは「続けないと」わかりません。
だからやっぱり、問題の本質は「続けられない」ことです。マイケル・ポーターが説明したことも、「掘り下げる」ことの重要性なのではないかと。
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