世の中は「やるかやらないか」。「やる」人を増やすための人財育成とは【no.0690】
先日、ソーシャルメディアで流れてきたある動画をみました。
その動画は矢沢永吉氏(以下、矢沢さん)を映したものでした。もう30年前の動画ということですから、矢沢さんが30代のころだと思います。とあるスタジオで、「若者に伝えたいこと」について話している動画です。若いころの矢沢さんを見るのは初めてでしたから、その点でも興味をもってみていました。
動画の中で矢沢さんが話していたのは、こんな話でした。
いまの若者に伝えたいことは細かいことはいろいろあるけれど、本当に伝えたいことはひとつだけ。「世の中は『やるか』『やらないか』」それだけしかない。いまの世の中がどうだとか、いまの若者がどうだとかいう人もいるけど、そんなのは昔から変わってない。表現の方法やシステムが変わっただけで、詰まるところは「やるかやらないか」しかないよ。
世の中の真理に感服すると共に、30代で世の中に対してこのメッセージを伝えることができた矢沢さんはやっぱりすごいんだなぁと、幼稚な表現ですが素直にそう思いました。
成功するためにどうすればいいかわからない、動き出すことができたとしても、いつどのタイミングで成果がでるのかもわからない。自分が正しい方向に進んでいるかもわからない。「やるかやらないか」の「やる」方を突き進むのは、相当な体力と精神力がいることだと思います。当然、矢沢さんも「とんでもない体力と精神力」をもった人間のひとりだと思います。
「2:6:2」とか「3:4:3」という言葉があります。やる人、普通の人、やらない人の割合を表現した言葉です。統計上、どのように計算をしているのかわかりませんが、「2:6:2」や「3:4:3」ではなく、もしかしたら「1:8:1」、「1:98:1」なのかもしれません。親の影響なのか、友達の影響なのか、それとも自分で気づいたのか、そのメカニズムはわかりませんが、ごく一部の「1」だけが暗闇の中をダッシュして、成功をおさめる。まさに「やるかやらないか」です。
しかし、これからの時代は、「2:6:2」でいう「6」。「3:4:3」でいう「4」。「1:98:1」でいう「98」の存在をいかに上に近づけるかが、非常に大切になってくると思います。上位層は、いわれなくても自分で試行錯誤できる人たちです。下位層はどうやっても動かない人たちです。そして中位層は、「他人がコーチングをすること」で上位層に上がっていく可能性がある人たちだと思います。
中位層が上位層に上がっていくための根拠。それは「データ」です。つまり、「努力の裏付け」です。これが、試行錯誤を続けるための原動力になります。
上位層は「裏付け」がなくても進むことができます。下位層は「裏付け」があっても進むことができません。中位層は、日々の努力の「裏付け」があれば努力を継続することができます。そして、「裏付け」が成功体験や理論につながれば、上位層に入ること、限りなく上位層に近づくことができます。この場合の「努力」とは、「仕事」「行動」「実践」「アクション」「施策」という言葉に置き換えても同義です。
デジタル社会とアナログ社会の大きな違いは、そこに「データ」があるか否かだと思います。アナログ社会では最終的な結果しか見えなかったこと、例えば売上が上がった・受注が取れた・会員が増えた・・などの手前にあるマイルストーンが、デジタル社会ではみえるようになりました。1つ1つの行動が、より次の行動に繋げやすくなったわけです。
もちろん、「2:6:2」の「2」の人財は欲しい。しかし、優秀な人財はどこでも欲しいわけですから、取り合いになります。これからは中間層の「6」を、いかにして上位層の「2」に取り込むか。そんな時代になるのではないでしょうか。「やるかやらないか」の「やる」人を増やす人財育成が必要になると思います。
おわり。
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