ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ネットショップ物流のアウトソーシングタイミング。【no.0210】

 ネットショップが成長していくと、どうしても時間が取られてしまうのがバックヤード業務だと思います。

特に、お客様に商品を発送する物流の業務は、受注データのようにシステムによって一括で処理をすることができず、注文が増えれば増えるほど、業務時間を圧迫していくことになります。商品が売れ、売上が伸びるのは良いのだけれども、物流業務に手がかかって次の手が打てない。もしくは目先の物流業務をクリアするのに精いっぱいで、効率化を後回しにしてしまっている、なんて現象も起きがちです。

そんなとき、検討されるのは、物流業務のアウトソーシングというわけですが、どのタイミングで外注化すればいいのか悩まれている会社も多いのではないでしょうか。よくあるパターンとして、最初は発送業務を内製で行い、ある程度数が増えてきたら外注、そしてさらに数が増えてきたら自社で倉庫を借りて内製に戻す、というのがあるように思います。企業としての考え方や、商材によってもそれぞれかと思いますが、物流業務のアウトソーシングのポイントについて考えてみたいと思います。

まずはシンプルな考え方です。

発送業務に疲れてきたらアウトソーシングを考えます

ネットショップを1人で立ち上げた時点では、商品の仕入れ・ページの制作・集客と更新・注文の処理・商品の発送・カスタマーサポートを全て1人でやっているわけです。商品が売れてくると1日に5件10件と発送作業が入ってきます。これが40件くらいになると、さすがに発送業務に時間が取られ、売上を取る仕事に支障をきたしてきます。このタイミングで外注、ということです。1日30~50件、月1,000件~1,500件が目安になると思います。

もちろん自社でアルバイトさんを探して、毎日の発送業務をお願いするのも構いません。午前11時から16時までの5時間で50件ほどの発送業務を行ってもらい、配送業者に商品を依頼するまでが仕事、というような感じです。この場合、問題になってくるのは、在庫の商品の保管場所を含め、オフィスに発送業務ができるスペースがあるか、ということになります。このスペースがなくなり次第、アウトソーシングを考えた方が良い、ということになります。

もう1つは、管理です。自社での発送業務に追われてくると

発送データや梱包にミスが起こり、さらに業務が増えるという悪循環が起こります。

また、ネットショップで取り扱う商品が増えるにつれて在庫管理に漏れが起こり、注文いただいたお客様に在庫切れの連絡をしたり、逆に、在庫データにのらずオフィスに残り続ける商品が出てきます。発送業務をアウトソーシングすることで、商品の管理も行ってもらうことができ、それによって在庫データが適正化されるという副作用的なメリットを享受することができます。

いくつかアウトソーシングのタイミングを上げましたが、実際には商材によっても異なります。テーブルや棚、ソファーなどのインテリアを扱うネットショップでは、商品が大きいので最初からオフィスで発送のが無理です。外注か、自社の倉庫を借りてのスタートになるでしょう。逆に、宝石・ジュエリーなどは大きさに比べて単価が高いので、長い間自社で発送をすることができます。アウトソーシングは品目が増えたときですね。また、単品商品も自社で発送し続けることができます。在庫管理は楽ですし、品目が少なければピッキングという商品を探す発送業務が無いのも同然です。

とはいえ、最も理想なのは、自社に商品を置けるスペースがあり、発送作業のラインを増やしても問題がない場合です。ネットショップというチャネル以外に、すでに自社で実店舗や紙通販などでの販売を行っていれば、在庫の連動ができますし、発送業務もアルバイトさんの人数を増やすだけで課題をクリアすることができます。やはり、ネットショップは実商売をやっている企業が有利です。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから