ネットショップを使った人材育成授業でおこなったこと。 【no.0040】
■高校の先生や専門学校の先生、大学の教授にぜひご紹介して欲しい‥!
今日のブログはぜひ学校の先生方に読んでいただきたい内容だ。昨年、私が千葉県船橋市にある船橋情報ビジネス専門学校でネットショップを使った授業をやっていたことを覚えてらっしゃる方もいると思う。そのネットショップを使った授業でしていたこと、伝えたかったことを書いていきたいと思います。お知り合いに高校の先生や専門学校の先生、大学の教授がいれば、ぜひこのブログをご紹介してください。
ネットショップを使った授業というと、ネットショップのイロハが学べる授業を想像すると思う。もちろん、ネットショップでどんな業務があるのかを生徒には座学で伝えたので、それも間違いではない。しかし、この授業の正式名称は「ネットショップを使った人材育成授業」なのだ。あくまで、人材育成を目的としていて、ネットショップを知ることが目的ではない。では、この授業の何が生徒の人材育成に繋がるのか。その前に、この「ネットショップを使った人材育成授業」を開催するまでに至った経緯を簡単にお伝えさせてください。
船橋情報ビジネス専門学校は、私が研究会のナビゲータを務めているビジネスプラットフォーム革新協議会(以下、BPIA)の会員。そして、校長である鳥居さんとの出会いは、2011年6月のことだった。BPIAの目からウロコの新ビジネスモデル研究会(ナビゲータは現弊社取締役の片貝孝夫さんと岩佐豊さん)にゲスト講師として講演させていただいたときに、鳥居校長が参加してくれたのだ。twitterをいかにメディアとして活用しマーケティングを進めていくか、という話だった。その懇親会で出会い、ネットショップの持つ教育的な価値をお話して、授業の開催に至ったのだ。
■ネットショップを立ち上げることは、仮想起業なのだ‥!
では、ネットショップが持つ教育的な価値とは何か。それは大した予算を必要とせず、しかもたった1人でショップを立ち上げることができるということだ。企業としてネットショップを行うのであれば、在庫を積む必要はない。1つ売れたら1つ仕入れればいいわけだし、受注発注での販売でも良い。重要なのは、1人でも商売ができるということだ。ネットショップの業務である、仕入・Web制作・集客・運営・システム管理・物流・カスタマーサポートの7つの業務を1人だけでこなすことができる。この、ビジネスの頭からお尻までを自分ひとりでカバーできるという価値、さながら仮想起業である。仕事というものを、部分で見るのではなく全体で見ることができるようになる。これが価値。
もう1つ。授業としての価値は、ネットショップを立ち上げることだけに収まらない。むしろ、より重要なのはネットショップを立ち上げた後。成果を出すために試行錯誤を繰り返す、というところにある。学校の授業というのは、理論と理屈の繰り返しだ。実践があってもあくまで学校内や学生内で終わってしまうことばかりだ。これでは社会に対する本当の感覚は掴めない。「ネットショップを使った人材育成授業」では、生徒たちが立ち上げたネットショップを実際に表に出してしまう。世界中の誰からでも買えるようにしてしまう。はいネットショップできました、めでたしめでたし、では本当の実力はつかないのだ。
当然、生徒たちが作ったネットショップは売れない。ネットショップにアクセスする人さえゼロの状態が続く。当たり前だ。しかし、そこで何を考え、何を実行に移していくか、それが重要なのだ。学校の授業で学んだことをそのまま使えば、仕事で成果が出せるわけじゃない。誰しもが社会人になってから経験することを学生のうちに経験できる。それが「ネットショップを使った人材育成授業」なのだ。
具体的な授業の内容は、4月から9月までの前半は座学とネットショップの企画、10月から翌2月までの後半はネットショップの構築、という形で行った。結局ネットショップが立ち上がったのが12月だったため、試行錯誤の時間が少なく残念だった、無事立ち上げられただけでも良かった。惜しまれるのは、週に一度の授業だったため、学生のネットショップ運営をフォローしきれなかったことだ。成果が出るまで試行錯誤を続けさせるならば、常にウォッチすることができる先生が現場に必要になる。ここはこれからの課題だ。
■「好きなことは仕事にできる」それを証明するために‥!
ひとつ、前半の授業で行った試みで、とても印象に残っているものをあげておきます。学生に自分が好きなものをたくさん書き出してもらう。目指せ100個、といいつつ制限時間15分以内では30個ほどしか書けなかったりするのだが、とにかくたくさん書き出してもらう。そのうちの1つをピックアップしてもらい、1人1人前に出てきて「何が好きか、なぜ好きか」をプレゼンテーションしてもらった。プレゼンの後、聴き側の学生に「伝わったか」を評価してもらい、次のプレゼンに役立てる。それを何度も繰り返す。そうすると、自然に「人に伝わる」プレゼンテーションを身に着けていくから面白い。ポイントは「同じテーマで何度も何度も話させる」ことだ。学生には、「いまみんなの前で話していることと、ネットショップをやることは全く変わらないよ」と伝えた。つまり、みんなの前でのプレゼンテーションをネット上でのプレゼンテーションにしたものがネットショップだよ、というわけだ。だから「好きなことは仕事にできる」と伝えたかった。
子供のころは学校の授業で夢を語る時間はあったが、次の授業は算数や国語。夢を語らせても、それをどういうステップで叶えれば良いのか、教えてくれる人はいなかった。だけど、ネットショップなら、みんなの前でのプレゼンテーションがそのままネットショップになる。そしてそれはたった1人で今日からできる。学生たちにはきちんと伝わっただろうか。
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