ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ネットショップの運営を最適化するために必要な数字項目。 【no.0167】

 ネットショップを運営していくにあたって管理していく主な数値項目の話をしたいと思います。イーコマース事業をおこなっていく上で、もっとも大事な数字は「売上」です。この「売上」を2つの形式で分解しながら、数値項目を理解していきましょう

 「売上」を分ける形式のひとつは、事業数値です。事業数値というのは、私が勝手につけた名前なので気にしないでください。ネットショップの運営に関わってくる数値項目ですね。運営数値とか、運営指標とか、KPIみたいな表現もあるかなと思います。言葉の定義は割とザックリしたもので考えてください。ここでは、事業数値でいきます。

 事業数値として、主なものは、「売上」をメインにして、「アクセス人数」「受注件数」「転換率」「客単価」の合計5つだと思います。「アクセス人数」は、ネットショップに来店したお客様の数。「受注件数」は、お客様がネットショップで買い物をした件数。「注文件数」とか「買い物カゴ数」みたいな表現になりますね。「転換率」は「受注件数÷アクセス人数」の数字で、100人あたり何人のお客様が購入したかの割合。インターネットでは、コンバージョン率という表現の方が認知は高いかもしれません。「客単価」は「売上÷受注件数」の数字で、お客様が1件の注文あたりいくら買ったかですね。「アクセス人数×転換率×客単価=売上」となり、「受注件数×客単価=売上」というようになります。「売上」を構成する事業数値として、ひとまずこの5つを覚えておけば良いと思います

 「売上」を分ける形式のもうひとつは、会計数値です。これも、私が勝手につけた名前なので気にしないでください。ネットショップの運営に関わってくるお金の数値項目のことですね。では、会計数値の項目をあげていきます。

 会計数値のメインとしては、「売上」。この「売上」を頂点にして、「商品原価」「固定費」「物流費」「システム利用料」「広告費」という、合計6つが主な数値項目になります。まずは、「商品原価」。これは商品の製造や仕入れの金額のことですね。製造メーカーなのか、卸なのか、小売りなのか、ネットショップの立ち位置に関係しますが、「商品原価」は販売価格の10%から70%くらいと、かなり幅があります。「固定費」はひと言で「固定費」とまとめてしまっていますが、オフィス賃料や人件費のことです。「物流費」は商品を発送するための金額。発送代金だけでなく、梱包資材の金額も入ってきます。「システム利用料」は、ネットショップのカートASP、ショッピングモールの出店料など。クレジットカードの料率も、「システム利用料」に入れます。あと、最後に「広告費」ですね。広告はかけなければゼロですし、かければ無限です。ということで、「売上-(商品原価+固定費+物流費+システム利用料+広告費)=利益」ということになります

 そして、この事業数値と会計数値とは絡まない数値として、気にしておく必要があるのは「在庫」です。特に、上記で説明した会計数値上で最終的に残る「利益」は、「在庫」が残れば残るほど、お金がモノとして残ってしまうことになります。もちろん、売らなければお金にはなりません。目先の「売上」と「利益」だけではなくて、「在庫」を見る習慣をつけてください

 というように、「売上」という目標が決まると、事業数値と会計数値の2つの数値指標ができるわけです。目標に対する指標を設定して、それに向けて1ヵ月間施策を打ち、その成果を事業数値と会計数値で計算します。予測に対して、施策がどれくらい2つの数値項目に影響を与えているのかを見るためです。そして、同じことを毎月毎月繰り返して、「原因」と「結果」を最適化していくわけですね。これがネットショップの運営、ということになります。

 おわり。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから