ニュー新橋ビル1階の「むさしや」に行ってきた!129年かけた営業システムとは?【no.0425】
先日、東京での打ち合わせの後が新橋での打ち合わせで、共に弊社取締役で元ダイヤモンド社社長の岩佐さんと一緒の仕事だったんですね。東京駅から動いた時点で、私が「岩佐さん、腹減らないっすか。腹減ったんですけど」と言っていたんですが、「こういうのはアポイント先の近くに行ってから決めるもんだ」と言われ、新橋まで移動しました。
新橋に着いた時点で、アポイントまで45分ほどの時間がありました。アポイント先までの徒歩移動を考えると、「食事ができないわけではないけれど、ゆっくりできるわけでもない」くらいの時間です。「何食いましょうかねぇー」なんて言っていたんですが、岩佐さんが「このビルの中にあるいつも混んでる店に行ってみよう。いつも気になってるんだけど、1回も行ったことはないんだ」と。
それで、新橋駅前のニュー新橋ビルに入ったんですね。その岩佐さんが言う「いつも気になってるけど、行ったことがない店」は、ニュー新橋ビルの1階にある「むさしや」というお店だったんです。。知っている人もいると思います。「創業明治拾八年」と大きく書いてある、あの店です私自身も、大学生時代(15年前)にニュー新橋ビルの中でアルバイトをしていたこともあるので、昔から「むさしや」のことは知っていました。しかし、私も入ったことはなかったんですよね。
「むさしや」は7席ほどのカウンター席しかないお店です。メニューも、「ナポリタン」「オムライス」「チキンライス」「ドライカレー」など6種類ほどしかありません。値段はどれも700円程度です。まあ、今だと、安い方のお店に入るのでしょうか。この店が、お昼どきになると、5人10人の列が常に絶えない、新橋のサラリーマンでごった返すのです。
どんなシステムで食事をすればいいのか、全くわからなかったのですが、岩佐さんと私はとりあえず並んでいる列の最後尾につきました。カウンター席のお客さんが食事を終え席を立つと、カウンターの中にいる店員のおばちゃんが「ナポリタンの方どうぞー」と列の人達に声をかけます。声をかけられたお客さんが席に座ると、すぐさまナポリタンが出てきます。支払いは、席に着いた瞬間に行われている模様です。券売機はどこにも見当たりません。
気になったのは、注文です。お客さんがどうやって食事を注文しているのか、そのシステムがイマイチわからなかったのですが、すぐに明らかになりました。列が進むと、カウンターの中から先ほどのおばちゃんが「次の方はご注文なんですか?」と6人分くらいの注文をまとめて取ってしまうのです。だから、席に着いた瞬間に、食事が出てくるんですね。
私の番が来ました。「オムライスの方どうぞ」と声をかけられてから席について、カウンターに千円札を置きました。おばちゃんがお釣りの300円をくれます。すぐにオムライスとセットのお味噌汁が出てきました。列に並んで見ていたとおりのシステムです。カウンターとお客さんの列の間には、ちょっとした暖簾がかかっているので、「待っている人のために、めちゃくちゃ急いだ方がいい」というプレッシャーもあまり感じません。
先に私が食べ終わって、その後、岩佐さんが食べ終わってカウンターから出てきました。まずは「うまかったっすね」と。「うまい」というか、くどくなく、脂っこくなく、毎日でも食べられそうな味でした。まあ、味はともかく、話題は「むさしや」のあのシンプルすぎる営業システムについてです。「創業明治拾八年」ですから129年かけて改善に改善を重ねて仕上がったシステムが、あの営業形態なわけです。お客さんがカウンターに座っている時間は、わずかに5分から10分。あのカウンター7席を最大限に活かすためのシステムなんでしょう。
「いやー、すごい」と岩佐さんが感心していました。そして「むさしや」のいろいろな工夫について話した上でお互い一致したのは、「たぶん、あの店の店員さん、豪邸もってるだろうな」ということでした。ははは。
おわり。
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