ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ショッピングモールと自社サイト「石田だったらどうするか」の回答【no.0795】

 先日の中小機構さんでおこなったセミナーでいただいた質問です。

 ショッピングモールでネットショップをやるのが良いのか、それとも自社サイトでネットショップをやるのがいいのか。石田さんだったらどうされますか?

 こんな問いをいただきました。すでにEコマースを長く続けられている企業はショッピングモール軸か自社サイト軸のいずれかで形ができているでしょうが、これからEコマースをスタートする会社、本格的な事業の柱としてリスタートを考えている会社にとっては、「Eコマースの軸をどう考えるか」は気になるテーマでしょう。

 あくまで私見であり、また現在のEコマースの市場環境を加味した意見ですが、まずは自社サイトと楽天市場の両方にショップを出すことから始めるのが良いと考えています。(ブランド認知の弱い中小企業がEコマースをおこなう場合です)

 ふたつのネットショップを同時に始めることになりますが、まず運営の軸にしたいのが楽天市場のネットショップです。自社サイトの方は楽天市場でのコンテンツを流用する形で構いません。ふたつのネットショップについてふたつの販売スケジュールを立てなくて結構です。楽天市場での販売スケジュールに自社サイトを合わせていきます。

 楽天市場に出店することの魅力は、「データを取って、毎日カイゼン」のサイクルを早く回せることです。すでに楽天市場のIDを持っているお客様が多数おり、ネットショッピングに慣れているお客様がショッピングモールを回遊しています。そのお客様に自社の商品が「ウケるか、ウケないか」その判断をスピーディーにおこなうことができます。

 ネットショップ成功の第一段階としての、「お客様に選ばれる商品・品揃え」「お客様に選ばれる提案・見せ方」を早いサイクルで仮説検証することができます。これがネットショッピング好きなお客様が集まっている楽天市場に出店することの魅力です。

 同じようにネットショップへのアクセスがある程度あれば自社サイトでも仮説検証ができるのですが、ひとつ課題があります。お客様が新しくネットショップの会員登録をしなければいけないということです。自社サイトのみでの改善活動の場合、「商品に魅力がないのか、見せ方が悪いのか、会員登録が面倒なのか」という複合的な要因が結果に絡んできます。ですから、楽天市場の方が「カイゼンのポイント」がわかりやすいのです。

 楽天市場と自社サイトで同時にネットショップをスタートさせる。まずは楽天市場を軸にしてネットショップを運営していく。ショッピングモールの検索対策等からアクセスを集め、商品の良し悪しや見せ方のカイゼンを進めながらネットショップの「運用カイゼン」についてのノウハウを蓄積していく。商品と同時にネットショップの名前や企業名を知ってもらう。お客様に自社サイトの存在を知ってもらい、最終的には自社サイトで購入いただけるように「買う理由」をつくっていく。

 最初はショッピングモールと自社サイトの力の入れ具合を95対5くらいからスタートさせ、80対20、70対30というように徐々に自社サイトに力を傾けていきます。ショッピングモールと自社サイトの購買データを確認し、お客様の流れができていることを感じたら40対60、30対70というように自社サイトに力を入れていきます。この頃には、Yahoo!ショッピングなど他のショッピングモールにも出店し、「ショッピングモールを使って、ネットショップの存在を知ってもらう」という流れがしっかりできているはずです。

 あくまで2015年11月現在の話です。楽天市場だけ自社サイトだけ、どちらかは少々もったいないです。もちろん、最終目標は自社サイトでお客様にリピートをしてもらい続けることです。

 おわり。

 

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから