インターネット広告の費用対効果が悪い、は果たして本当なのか?【no.0543】
先日、とある会社の社長さんとインターネット戦略について情報交換をしていたとき、「はっ!」とする出来事がありました。
いかにしてインターネット上から潜在顧客にリーチするか、という話をしていたときです。私が、「いやー、インターネットの集客はもう頭打ちですからね。地味で面倒で手間なことをやるしかないですよ。インターネット広告の費用対効果は悪くなる一方ですからねー」と、いつもこのECMJブログで書いているようなことを言うと、その社長さんがひと言「石田さん、うちの会社、広告の費用対効果、悪くないんです・・(申し訳なさそうな感じ)」と。
インターネット広告の費用対効果は悪くなるばかり・・世の中の流れとして当然のように軽く発した言葉でしたが、その社長さんの言葉に「はっ!」とさせられました。その社長さんは続けて、私に言いました。「うちのサービスは1件契約が決まると数万円なんです。それに、サービスのレベルも業界でNO.1ですから、価格勝負をする気はありませんし、価格勝負しなくてもお客様に選んでもらえるんです」と。
そう。そうなのだ。そうなのですよ。
インターネットからの集客を考えるとき、何の悪気もなくインターネット広告の費用対効果の話から入っていてしまいましたが、それよりも大切なのは商品力なんですよね。なんだか「いわゆるインターネットビジネス」の概念にとらわれすぎてしまい、本質からズレた話をしていた自分自身(石田)を恥じたのです。そう、徹底的にサービスのレベルを上げ、適正価格で販売し、適正な利益を上げられるならば、「広告の費用対効果」なんて言葉はいらないわけです。
集客があって商品があるのではなく、商品があってこそ集客があるのです。日々、ブログで書いていることを否定するように捉えられてしまうかもしれませんが(そういう意味でないことも理解して欲しいですが)、インターネット広告の費用対効果も、その逆をいく「毎日ブログ」のような地味で面倒で手間な「人に知ってもらうための仕事」も、その商品力が凌駕してしまう可能性すらあります。もちろん、業界のNO.1になるために、徹底的に商品力という玉を磨かなくてはいけませんが。
巷のEコマース、ネットショップ運営者からは、「インターネット広告の費用対効果がどんどん悪くなっている」という声が聞かれます。「リスティング広告かけたけど、まったく効果がわからないんだよねぇ」とか「30万円のバナー広告を買ったんだけど、売上も30万円だったんだよ」とか「インターネット広告では新規のお客様が取れないから、リアルのチラシに切り替える」とか。
確かに、インターネット広告の費用対効果は10年前に比べると格段に悪くなっているのは間違いないでしょう。Eコマース事業者、WEBサービス事業者というプレーヤーは日々増え続けているのに、お客様の数と利用金額が頭打ちになった。それに、お客様がインターネットの仕組みに慣れてきたことで、インターネット広告を簡単に利用しなくなった。そんなことがあると思います。それも時代の流れですし、だからこそリアルからの集客に手を伸ばしたり、地味で面倒で手間なことをやったりするのですが(それも大事だけど)、いま一度、ここで振り返ってみて欲しいのです。
果たして、あなたのサービスは、市場において「商品価値」のある存在ですか?
一見すると、インターネット広告の費用対効果が悪くなっているだけのようにも感じるのですが、実は、あなたのサービスの商品価値が「市場から後れをとっている」だけなのかもしれませんよ。そんなことに「はっ!」と気づいた社長さんとの出会いでした。
おわり。
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