ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

インターネットビジネスの目標設定、予算設定について。四【no.0750】

インターネットビジネスの目標設定、予算設定について考えていきたいと思います。(前回はこちら

インターネットビジネスの目標設定は、自社サービスの現状の数字を元にして立てていきます。

 月商100万円、アクセス人数1万人、転換率1%、客単価1万円のネットショップがあったとします。ひとまずの目標として、半期で1.5倍の月商150万円に成長させる場合、「アクセス人数×転換率×客単価=売上」の公式における、いずれかの係数を1.5倍にすることができれば、目標予算を達成することができるわけです。

*「アクセス人数」を軸にして目標数値を組んでいく

 前回のブログで、カイゼンの達成指標として「アクセス人数>>>>>>>転換率>>>客単価」というように書きました。客単価は「顧客像(ペルソナ)」を表します。1万円の客単価を1.5万円、2万円、3万円と成長させていくことでネットショップの売上を伸ばしていくのは非現実的です。これだと、客単価の額のフェイズによって、お客様の入れ替えをしなくてはいけません。

転換率は現状の1%から5%くらいまでならばカイゼンが可能です。ただし、転換率は「商材」と「価格帯」によって、その数字が大きく異なります。また、「転換率」は割り算で計算される数字なので、アクセスの大小や、リピート顧客の比率によってもその数字が変わります。新規のアクセスが多ければ、必然的に転換率は下がりますが、「新規のアクセスが増えている」という視点からみれば、「低い転換率が悪い」というわけでもないのです。

 やはり、おすすめなのは「アクセス人数」を軸にして、売上目標、予算目標、達成指標を組んでいくことです。「アクセス人数」は「転換率」や「客単価」とは異なり、足し算の数字であるため「高い数字の方が良い」で間違いありません。また、「転換率」や「客単価」のように、限界値がある数字でもありません。日本中の誰でも知っているようなブランドでなければ、認知の可能性としてほぼ無限の市場があるといって良いと思います。

 あくまで「アクセス人数」を増やすことで目標を達成する、というところに軸を置き、「アクセス人数」を増やしながら「どうカイゼンをすれば、転換率を落さないか」を2番目に考えていきます。前述した、月商150万円の売上目標を分解するならば「アクセス人数:2万人×転換率:0.75%×客単価:1万円=月商150万円」というようなイメージです。

*「新規顧客」「既存顧客」を別にして目標設定をする

 「アクセス人数」を増やすため、もうひとつ数字に深く踏み込んで、「新規顧客」「既存顧客」を別にして目標設定をするのが良いです。「アクセス人数=新規顧客アクセス+既存顧客アクセス」です。新規のお客様を増やすことによって、アクセス人数を増やす方法もあります。また、既存のお客様の来店頻度を上げることによって、アクセス人数を増やす方法もあります。それぞれについて、達成指標とカイゼン施策を考えていきましょう。

 また、売上目標についても同様です。「アクセス人数×転換率×客単価=売上」ですが、「新規顧客と既存顧客」の観点から分解すると、「(新規顧客アクセス人数×新規顧客転換率×新規顧客客単価)+(既存顧客アクセス人数×既存顧客転換率×既存顧客客単価)=全体売上」になります。ネットショップをご利用いただいいているお客様をいくつかのセグメントに分け、各々について目標設定をおこなう方法もあります。

 現状のネットショップ、インターネットビジネスの数字をよく理解し、その数字を因数分解して、「どの項目のどの部分をさらに上げていけるか」仮説を立て、「実行→検証→カイゼン」を繰り返していってください。インターネットビジネスの目標設定、予算設定はあくまで自社の数字が軸になります。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 3.Eコマースの収益アップ

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから