インターネットのマーケティングは「やること」より「やったこと」を考える【no.0637】
ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら)
「『なんで数字が変化したかがわかれば、どうすれば数字が変化するかがわかる』。それがインターネットのマーケティングじゃよ」
猪井氏(いいし)先生は七海さんに決め台詞を吐きました。しかし残念なことに、その決め台詞は七海さんにヒットしていないようです。猪井氏先生はそれを感じて、丁寧な説明を始めました。
「七海はんが1キロ走って1キロ体重が落ちたとする。ほしたら、4キロ走ったら、4キロ体重が落ちるんじゃないかて考えるじゃろう。こういう風に考えられるのは、『1キロ走ったら1キロ体重が減った』ゆう、『原因と結果』の関係性がみえたからできることじゃよな」
猪井氏先生の話に合わせて、七海さんがウンウンと頷きます。
「つまり、『原因』とその『結果』の関係性をみて、今度は『結果』から『原因』を予測するゆう発想になってるゆうことじゃ。ここがインターネットのマーケティングをやる上でとても重要なことじゃな。まあ、インターネットに関わらず『マーケティング』つーもんは、この『原因と結果の相関性を見続けていくこと』に他ならなんのだけどな。ここではその話はええわ。で、じゃ、七海はんがまた1キロ体重を落そう思うて、1キロ走ったとする、はたしてどうなるかの?」
七海さんは少しだけ考えて言いました。
「運がよければ、そのまま1キロ体重が落ちるとは思うんですけど、実際は1キロ走って1キロ体重が落ち続けることはないと思います。だって、この理屈がとおるなら、走り続けたら体重がゼロになっちゃうってことですからね。同じ1キロを走ったとしても、体重が落ちる量はどんどん少なくなっていくんじゃないかなぁ」
七海さんの答えは猪井氏先生が期待していたとおりのものであったらしく、猪井氏先生は七海さんの言葉をニコニコしながら聞いていました。
「そうじゃな。1キロ走って1キロ体重が落ちるのが永遠に続くならば、いつか体重はゼロになってしまうわな。ダイエットの苦労もそんなにないわけじゃ。しかし、走ることによる体重が落ちる効果はどんどん少なくなっていく。でも、体重をあと4キロ落としたいゆう目標があるわけじゃ。ほしたら、七海はん、あんただったら何する?」
七海さんは少し考えて言いました。どうやら、自分のダイエット経験を頭の中で思い出しているようでした。
「うーん、そうですねぇ。とりあえず走って、足りない分は筋トレとか他の方法で落としますかねぇ。もしくは、食べる量を少し減らしたり、食べるものを野菜中心にしたりして、摂取カロリーを減らすのがいいのかなぁ。まあ、何をやったらいいかは具体的にはわからないんですけど、たぶんそうすると思います」
また猪井氏先生は七海さんの話をニコニコしながら聞いていました。
「そうじゃろう。例えば、1キロ走って1キロ体重が落ちてたのが、1キロ走っても0.8キロしか体重が落ちんくなったとする。そうしたら、0.2キロ分を他の方法で体重を落とさないかんわけじゃ。それは、筋トレとか消費カロリーを増やすゆう方法もあるし、菜食中心にするとか摂取カロリーを減らすゆう方法もある。そこの選択肢は1つだけじゃないし。同じ消費カロリーを増やす方法でも、いろいろあるわな。もちろん1キロ体重を落とすために、10キロ走るようにしてもええわけじゃし」
「まあ、効果が出なかったら、他の方法を試してみればいいんですもんね。そこらへんも、『原因と結果』を見続ける試行錯誤、ってことになるんですかね」
「七海はん、ええこと言うなぁ。それこそインターネットのマーケティングの原理原則じゃ。インターネットのマーケティングは『やること』を考えるより、『やったこと』を評価することを重視するんじゃ。人は『やること』ばっかり考えてしまうもんなんじゃけどな。そこではないんじゃよ」
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