Amazon!そして、スシロー!予約出荷をまるっと解明。 【no.0133】
(こちらは2014年2月のリライトコラムです)
*「予測出荷」の仕組みは回転寿司と一緒!?
10日ほど前のニュースですが、Amazonが「予測出荷」の特許を取得したというニュースが話題になっていました。お客様が何を買うかを実際に買う前に予測して、商品を戸口(!?)もしくは近くの物流拠点まで発送しておく、それによりお客様が実際に購入してから配送するまでの時間を短縮するという仕組みなんですが、これってやはりデータマーケティングなんですよね。
ここで、Amazonのこの「予測出荷」の仕組みを、「どのようにデータを使ってアルゴリズム化させるのか」を大解明しようかと考えたのですが、Amazonよりも先に、「予測出荷」に似たことをやっている仕事を発見しました!回転寿司です。そしてこれまたタイミングが良すぎることに、2014年1月27日の日本経済新聞に、こんな記事が出ていますね。「スシロー、ビッグデータ分析し寿司流す 廃棄量75%減」。スシロー、Amazonより先に「予測出荷」やってんじゃん・・。
というわけで、この、「スシローがビッグデータを分析して廃棄量を75%減させた」というデータマーケティングを、「私ならこうやる」式で具体的に解明していきます。ここから先を読めば、スシローだけではなくて、くら寿司でも、かっぱ寿司でも、銚子丸でも、その他日本中にある回転寿司のどの会社も、この「予測出荷」ができるようになる・・かもしれません!というか、ここからは「予測出荷」という言葉を使うのはマズイのかもしれないので、「事前出荷」と書かせてもらいます。
*「事前出荷」でお客様の回転率を上げていく
最初に、この1月27日付けのスシローのビッグデータ分析について、日本経済新聞に書かれている文章の中で、ポイントになると思われることを簡単にまとめてみます。以下、抜粋です。
・店舗に「回転すし総合管理システム」を導入し、1分後と15分後に必要な握りネタと数を常に予測。
・需要予測から供給指示、寿司の鮮度管理まで、回転寿司のあらゆる業務を支援する。
・レーンにおけるネタごとの走行距離も収集。ネタごとにあらかじめ決めた走行距離を過ぎれば、「鮮度が落ちた」と判断して、自動的に廃棄する仕組みも導入している。例えばまぐろであれば、350m以上が対象になる。
・累計では40億件に達する販売ビッグデータを分析し、スシローが独自に顧客の食欲を指数化した「喫食パワー」を見極め、需要を先読みする。
・システムがはじき出すのは、1分後と15分後の喫食パワー。
・最近では、蓄積したデータを分析し、顧客の食べ方の傾向を解きほぐすといった新たな取り組みを始めている。
というように、お客様の食の「最適化」と「定量化」をはかるためにデータを活用して、あんなことこんなことをやっているようなのです。詳しくは、日本経済新聞のサイトをご覧いただくと良いかと思います。
私なんかは、回転寿司にいっても、レーンを回っている寿司ではなくて、個別のオーダーをしてしまう派なんですが、全員のお客様がオーダーだけになると人手が足りなくなって、回転寿司の「お客様自体の回転」が悪くなってしまうんでしょうね。
やはり、ある程度の量の寿司をレーンに回しておいて、オーダーとうまくバランスを取ることで、お客様の回転率も上げていくことが大切。週末の夕方に回転寿司にいくと、ホントすごいですもんね。家族連れが。焼肉とかと比べると、お爺ちゃんお婆ちゃん層も楽しめて良いのかもしれません。
まあ、とにかく、回転寿司は、いくらか寿司を回転させておかなきゃいけないわけで、やっぱり鮮度がありますから、そのロスが大きく利益を動かしてくるわけです。そう考えると、スシローの廃棄率75%減って、ロスにならず、その分売上が増えているわけだから、ほんとすごいっすね・・。
「目指せスシロー!倒せスシロー!」というわけで、次回から事前出荷のデータマーケティングの具体的な話に入っていきます。
つづきはこちら。
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