チョウチンアンコウ。8【no.1129】
(前回はこちら)
現に、「Eコマースのノウハウ」をtwitterでつぶやいていたときは、合計して250以上、140文字の文章を用意していた。これは一日ひとつ、一日ふたつと書いていくと効率が悪いので、思いついたときに10コ20コと書いていった。
また、フォロワーを増やす上で重要なのは、いかにしてフォロワーにリツイート(RT)されるかだ。ソーシャルメディアの魅力は圧倒的な拡散力なのだ。250以上のコンテンツをつぶやくたび、どれくらいRTされたか、リストに入れられたのか、フォロワーが増えたか、をチェックする。より拡散に結びついている文章を繰り返しつぶやいたり、続編を書いたりしてひとつひとつの打ち手の精度と効果を上げていくのだ。これは、ネットショップで売上を上げる方法とまったく同じだと思う。
BPIAでの講演ではこんな話をした。twitterは当時のトレンドだったため、BPIAでも非常に多い、60名以上の参加者がいらっしゃった。ただ、僕の話が面白くなかったのか、くだらないと思われたのか、講演後の懇親会まで残ってくれたのは15名ほどの方だった。面白いことに、この15名ほどの方々とはいまだに繋がっている。
講演中に僕が話したことで、片岡さんに褒められた一節がある。
質疑応答の際、参加者の方から「フォローしてくれた人は、フォローしないんですか?」という質問をいただいた。つまり、手を出してきた人の手を握り返さないのか、ということだ。twitterがコミュニケーションツールだということを前提にした質問だったのだと思う。
そこで、僕は「twitterはコミュニケーションツールではなく、マーケティングツールだと思っています」と回答をした。片岡さんにはこれがとても面白かったらしい。なぜなら、片岡さん自身も、twitterはコミュニケーションツールだと思っていたからだ。マーケティングツールなんていっている人はあまりいなかったわけだ。販促ツールといっていた人はいたけれど。
この講演をきっかけにして、BPIAとの繋がりもできた。岩本さんと、片岡さんのお陰だ。講演が成功したのか、ダメだったのかはいまいちわからなかったが、人前で話すことができた自分に少しだけ自信を持つことができた―――。
2011年の6月、7月ごろになると、岩本さんとは毎週のように会うようになっていた。木瀬さんの事務所で会うこともあったし、新宿の喫茶店で会うこともあった。小田急ハルクの中二階にある「コロンバン」という喫茶店だ。この喫茶店は、僕にとって岩本さんとの思い出の場所だ。
これから自分がどうしていきたいか、どんなコンサルティング事業をしていきたいのか、ワードパットにメモをして、印刷して岩本さんに意見をもらっていた。7月下旬に前職を退職することになるのだが、その前後のことだ。6月から9月の間だろうか。
独立するにあたって、会社をつくることになった。しかし、どうやって会社をつくればいいのかわからない。岩本さんが紹介してくれたのは、岩本さんの秘書をされていた尾平さんだった。尾平さんが、幼なじみの税理士さんを紹介してくれ、その税理士さんが司法書士さんを紹介してくれた。この税理士さんは、いまでも顧問税理士さんだ。みるみる縁が繋がっていった。岩本さんのお陰だ。
そして、2011年の10月28日、東京都港区港南にひとつの新しい会社が誕生した。本店所在地は、木瀬さんの事務所をお借りした。この日が本当の本当のスタートだ。
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