ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

検索からのアクセスが増える場合、2つの理由が潜んでいる。【no.1071】

 ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら

 検索エンジンで「笹かまぼこ わさび」と検索すると、検索結果の上から5番目におにぎり水産ネットショップの商品ページがあらわれました。「わさび漬け笹かまぼこ」という商品でした。

「あー、これ、実店舗でも売ってるやつだ。ネットショップにも商品登録してたんだね。Googleアナリティクスのデータをみる限りだと、お客様が検索エンジンで『笹かまぼこ わさび』って検索をして、そこからネットショップの商品ページへのリンクをクリックしたって流れなのは間違いなさそうね」

 友花里さんはいいました。

「『笹かまぼこ わさび』なんてキーワードで上の方に出てくるんだね。それ自体も発見ではあったんだけれども、気になるのはどうして『笹かまぼこ わさび』でアクセスしてくるお客様が増えたのかって話だよね。これは麻間(あさま)さんに聞いてみないとわからないな」

 七海さんはそういうと、もう一度、麻間さんに電話をかけました。麻間さんは七海さんからGoogleアナリティクスを見た状況と、実際に「笹かまぼこ わさび」を検索エンジンで検索した結果の話を聞いて言いました。

「特定の検索キーワードからのネットショップへのアクセスが増えるパターンって、基本的には2つのパターンなんですよ。ひとつは、検索順位が上がったパターンですね。『笹かまぼこ わさび』で検索したときに、ネットショップの商品ページが検索結果の2ページ目あったのが、検索結果の1ページ目の上位に移動したとすると、ネットショップへのアクセスがあがりますよね。これは検索対策が成功した型のパターンです。ただ、今回のはこのケースではないかなと」

 七海さんは麻間さんの話が友花里さんも聞くことができるように、電話のブルートゥースボタンをオンにして、スピーカーに音声を飛ばしました。

「で、もうひとつのケースなのですが、検索のボリューム自体が増えた。このパターンだと思うんですよね。つまり、『笹かまぼこ わさび』で検索するお客様が、普段は100人なのにも関わらず、昨日だけ1,000人になったとしたら、ネットショップへのアクセスも10倍になる可能性があるわけです。あくまで期待値ではありますが」

 2つのパターンの話を聞いて、友花里さんは麻間さんに質問をしました。

「麻間さん、すいません。その順位が上がったパターンと検索ボリュームが増えたパターンの2つについて、麻間さんが『検索ボリュームパターン』だろうと思った理由って何なんですか?」

 七海さんは友花里さんの質問を聞いて、「確かに私もわからない」とウンウン頷きました。

「ひとつは、『わさび漬け笹かまぼこ』の商品ページは近日中に登録したわけではないですよね。新しいネットショップを立ち上げた最初から販売していた商品です。特別なSEO対策(検索対策)を施したわけでもありませんし、いきなり検索結果で上位に入ってくるということはないと思いました。なので、『わさび漬け笹かまぼこ』の商品ページは、昨日以前に『笹かまぼこ わさび』で検索しても、5番目に出てきていたのだと思います」

 さすがに一昨日は調べられないよな~、と七海さんはつぶやきました。

「昨日今日で一気にアクセスが跳ねる場合、ボリュームの変化のパターンが大きくあります。2倍3倍の変化ならば、実は他の要因も考えられるのですが、今回は10倍近くの違いですからね。間違いなく検索ボリュームの変化です。そして気になるその理由なのですが・・」

 七海さんと友花里さんは息をのみました。少しの静寂があって、麻間さんはいいました。

「理由は・・わかりません!!」

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから