「やると決めたことをやる」ために、3つの環境を整える。【no.1037】
「やると決めたことをやる」というのが大切です。
この原則が壊れてしまうと、「好きなときに好きなことをやる」「できるときにできることをやる」ということになってしまいます。これでは自由研究です。自分としてはマーケティング活動をおこなっているつもりでも、市場からはどんどん遅れをとってしまいます。当然、売上につながらないことになります。
そのために必要なのが実践策の因数分解とスケジューリング、適切なチェックフローです。この3つの環境を整えることによって、「好きなときに好きなことをやる」「できるときにできることをやる」から、「期日までに決めたことをすべてやり抜く」状態に引き上げることができます。
ECMJのクライアントさんの1社の具体事例をご紹介します。
ECMJのミーティングでは、必ず1つ以上の宿題を決めます。インターネットやデータベースから集計されたデータ、市場環境の変化や競合ネットショップの状況をディスカッションすることももちろん有益なのですが、やはり「~だから、~を実践する」ということにつなげていくことが大切です。少なくとも1つ、実践策を決めればその反応からまた新しい状況を引っ張り出すことができます。
ただ、現実には宿題は1つにはなりません。少なくとも5~7項目、多ければ10~15項目の宿題が出ます。この宿題は、ミーティングをおこなう中での気づき、不明点などを施策化したものです。「この実践施策が当たっているから、他のページにも反映させてみよう」というものや「これで反応がなかったなら、今度はこちらで反応を確かめてみよう」というものがあります。これが多いと15項目です。
コンサルタントの仕事は、この10項目もの実践施策をミーティングの中から引っ張り出すことです。データや市場環境の変化、競合の動向を伺いながら、「次、これやってみたいよね」「次、(ツライけど)これやらなきゃいかんよね」ということを一緒に探していくのです。
また、この10項目もの実践施策をリスト化し、まとめたものをメールで関係者全員に共有するのもコンサルタントの役目です。実は、この仕事がとても大切です。実践施策をメールという形で残すことによって、そこに合意が生まれるわけです。ミーティングの流れで「これやりましょっか」とするのではなく、明文化することに意味があります。
そこでこちらのクライアントさんです。この実践施策をリスト化したメールを印刷し、前述した「実践策の因数分解とスケジューリング、適切なチェックフロー」に取り組んでくれています。
具体的には、実践施策のリストに対して、まず「実践するために必要な準備、工程」を担当の方にイメージしてもらいます。必要であれば、リストに「準備と工程」を加えます。(メールの時点でも多少、加えています)。そしてリストの項目に対して、実践日のスケジューリングをおこないます。こちらも実践日を直接記入してしまいます。あとは、実践を重ね、完了したものをチェックしていきます。実践内容の確認が必要な場合は、随時上長に確認を取りフォローをいただいているようです。
こちらのクライアントさんの場合、ほぼ100%の確率で「決めたこと」を実践されています。仮に実践できなかったことがあっても、「実践できなかった理由」「どう他の手段でカバーしているか」が非常に明確です。
もちろん宿題は「やりたいこと」ばかりではありません。むしろ「やりたくないこと」ばかりです。ただ市場で勝つためには、「どうやって1歩1歩前に進んでいくか」を考え、実践することが大切なのではないでしょうか。
おわり。
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