民泊ビジネスとEコマースの共通点。はたして今後の展開は・・?【no.0950】
先日、「民泊ビジネス」を展開されている方にお会いしました。
訪日観光客の増加により注目されている民泊ビジネス。テレビや雑誌でも特集されていますから、ご存じの方も多いと思います。元々は「Airbnb」のような、「自宅の空いているスペースを貸し出す」それをインターネットを使っておこなう、というようなCtoCのサービスが起点になっているのですが、民泊ビジネス用にマンションの1室を借り、CtoCのモデルに乗せている事業者も増えてきています。
この民泊ビジネスの事業体については、旅館業法に抵触する部分もあり、現状グレーゾーンな部分も多くあります。周辺住民とのトラブルも報告されており、今後なんらかの法整備が必要になるかもしれません。まあ、今回のブログの主旨はそこではないので「良いか悪いか」の話ではありません。
この「民泊ビジネス」、Eコマースのビジネスと考え方がまったく同じだというのです。
まず、民泊という商品があります。ユーザーが民泊を探すのはインターネット上です。ですから、WEBサイトが必要になります。もしくは「Airbnb」のプラットフォームを利用する場合は、商品(マンション、戸建て)の魅力が十分に伝わるように、画像を工夫したり情報を載せたり、何かのキャンペーンや付加価値をつけたりするというのです。ネットショップと同じ考え方です。
また、自社の商品がどうやればユーザーに探されるか、この点においてもEコマースのビジネスと一緒のようです。自社のWEBサイトに集客する場合は「誰を対象にし、どんな探し方をするか」を読んで集客に工夫を施します。プラットフォームを活用する場合は、検索対策とアルゴリズム対策をおこない、よりユーザーの目につく位置に商品を表示させるようにします。若干異なるのは、対象が外国人の方の場合もあることでしょう。しかし、概念は一緒です。
もうひとつ驚いた点は、ユーザーからの宿泊申し込みを受けてからのバックオフィス処理がすべて自動化されているというのです。ネットショップと同じように、商品を購入してから商品を受け取るまで、民泊ビジネスの運営者が利用者と接触する機会は基本的にありません。すべての民泊ビジネス事業者が自動化をしているわけではないでしょうが、話を伺った経営者さんはEコマースの方式に倣って、「人が介さない」仕組みをつくっているのです。
これは正にEコマースと同じ仕組みです。宿泊という行為、部屋という場所はあくまでリアルですが、インターネットで集客して、インターネットで決済をしてもらい、「人を介さず」サービスを利用してもらう、よく考えたものだと感心しました。
民泊ビジネスは急激に広がっています。初期投資も比較的安く、参入ハードルもそこまで高くないようですから、今後もさらに拡大が見込まれます。ここもEコマースの市場がこの15年で経験してきたとおり、「需要>供給」が「需要=供給」になり、そして「需要<供給」の時代に入っていくのではないかと思います。「需要<供給」になるのは意外と早いかもしれません。
「泊まりたい人」より「泊まって欲しい人」の方が多い時代がいずれやってきます。生き残るのは「違い」を持っている民泊しかありません。横並びのサービスでは、価格競争に飲みこまれるだけです。Eコマースも同じ道をたどってきました。価格競争はいずれ大手に飲みこまれます。おそらくAmazonのような会社が現れることでしょう。
やはりマーケティングの原理原則は、どの業界にも通じることのようです。
おわり。
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