ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

たとえば野球関連アイテムのネットショップをつくるとして・・【no.0936】

 たとえば、すごーく野球が好きだったとして、野球関連アイテムのネットショップを作りたいと思ったとします。

 最終的には「目指せ野球ブランド!」ということになるのですが、最初から「ブランドです!」と言い切って、しかもオリジナルの商品を作って販売するのは無理です。というか、形は作れても売上と利益がついてきません。世の中にはあまた、野球に力を入れている会社がありますし。

 そんな中で、どうやって事業を進めていくか、という話です。考えてみます。

 「目指せ野球ブランド!」という目標と夢は大切ですが、現実を考えれば「まずは棚の上においておいて」ということになります。事業に一本の軸をつくるためには、ニッチなところを探して「お客様を絞る」しかありません。まずは何かのナンバーワンになることが大切です。

 ここで、「野球よりバドミントンの方が可能性あるんじゃないの?」「だったら、ラクロスの方がナンバーワンになれそう」みたいな意見が出てきそうですが、その通り。目標が「スポーツブランドを目指す」で、特に野球にこだわりがなければ、バドミントンやラクロスに絞った専門店化でナンバーワンを取るのが良いと思います。まあ、ここでは、あくまで野球にこだわりがあるとします。(わかりやすいので)

 細かいリサーチをしていないのでわかりませんが、野球関連アイテムだと、まずメインになるのは高校野球・中学野球など、部活系を対象にしたものなのかなと思います。ここは相手が強そうなので避けたい。となると、女子野球かそれとも草野球(特にシニア向け)か、と考えます。

 野球は人気スポーツですから、ここまでいっても競合がたくさんいる可能性が高いでしょう。さらに絞らなくてはいけません。たとえば、野球のポジションでしょうか。ここはピッチャーだけは避けたいところ。狙い目としては特殊なポジションであるキャッチャーではないかというのが直感です。

 ただ、外野(レフト、センター、ライト)については「外野用」としてひとくくりにして商品を提案しているところが多いでしょうから、「センター専用」で特化するのも捨てがたいでしょうか。このあたりは野球経験者の方の意見も聞いてみたいところです。やっぱり、キャッチャーかなぁ。

 シニア向け草野球のキャッチャー用品専門店、これでもだいぶ絞られてきたかと思いますが、さらに価格帯で絞りたいところ。価格の安さ(=資本力)では他社に勝つことはできません。小さな会社、小さなネットショップほど、高価格帯で勝負するのが理想です。1つ1つ職人が手作りで、1ヵ月に10個しか作れないキャッチャーミット、いいじゃないですか。こだわりの逸品をあなたに・・。

 お客様と商品を絞った上で、大切なのが情報発信です。これだけ絞ったネットショップならば、本当に欲しいお客様から探される(見つけられる)可能性も少しは高くなりますが、それでもインターネット上で情報は埋もれます。定期的に情報コンテンツを作成して発信し、インターネット検索やSNSを通じて「あなたのネットショップで解決できる課題を持っているけれど、あなたのネットショップのことを知らないお客様」にアプローチしていかなければいけませんね。これが大変なのですが。

 情報発信はインターネットだけではなく、リアルでの活動も大切。予算があれば展示会やイベントに出展するのも良いですが、基本的には地道に足で稼ぐ。土日は草野球場に出向いて、実際に見てもらい触ってもらい使ってもらって感想を聞く。ネットのデータとリアルの声を元に、あとは改善を繰り返すのみです。

 ホント、商売って大変ですね。

 おわり。

 

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 7.Eコマースのひと工夫

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから