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実践があるから検証がある。実践無くしての検証はあまり意味が無い【no.0889】

 実践があるから検証がある。実践無くしての検証はあまり意味が無い。(前回はこちら

 モノゴトを頭の中で整理するのではなく、「頭の外」で管理することをおぼえ、七海さんと友花里さんのオンラインショップの改善サイクルはより一層スピードアップしていきました。

「具体的施策とスケジューリング、成果検証」の3つはセット

 同時に画像改善管理エクセルだけでなく、商品販売実績管理エクセルを作成することによって、おにぎり水産オンラインショップの改善の成果を検証し始めました。麻間(あさま)さんに「実行数値管理表」に続く、2枚目の数値管理エクセルです。

 七海さんと友花里さんは麻間さんからこのような説明を受けました。

「商品画像を改善に入るということで、新しい成果管理のエクセルを導入します。商品販売実績管理エクセルのエクセルです。その前に、成果管理エクセルの追加について少し説明をさせてください」

 麻間さんは真面目な顔でいいました。「私、というか猪井氏(いいし)先生含め、猪井氏事務所の考え方でもあるのですが・・」。麻間さんはそんな前置きをして話始めました。

「お話した通り、マーケティングにおいて『具体的施策とスケジューリング、成果検証』の3つはセットでおこなわなくてはいけません。あくまで施策があり、実践日・実践期日があるから、その成果が測れるというわけです。では、施策も実践もなく、成果を検証するというケースはあるのかです」

 麻間さんは続けていいました。

「仮説」と「実践」があるところから「検証」すること

「もちろん、施策をおこなっていない状態でデータを取ることには意味があります。ただ、それは『成果検証』ではなく『現状分析』としてのデータでしかありません。点として状況を把握する役割は果たします。ただ線として変化を読み取っていくための役割は難しいのではないかと思います。また、たくさんのデータを見て、施策を決めていくのは最初からは無理です。まず『実行数値管理表』のようなシンプルな数字に徹底的に慣れること。それが少しずつ数字を増やしていくのが成長のためには適切です」

 麻間さんは会議室のホワイトボードに「仮説」「実践」「検証」という3つの円を描きます。そして「仮説」→「実践」→「検証」という矢印を引きました。そして、「検証」から「仮説」にも矢印を引きました。

「あくまで『仮説』があるから『実践』がある。ただ闇雲に施策を打っても的には当たりません。『実践』するからデータがある。だから『検証』がある。『検証』があるから、また新しい『仮説』が浮かぶ。こうやってマーケティングの階段をのぼっていくわけです。『仮説』や『実践』がないのに、『検証』をし続けることに意味はありません。『仮説』と『実践』があるところから、しっかり『検証』をしていきましょう。だからいままでは『実行数値管理表』で十分でした。これからは『商品販売実績管理エクセル』をつくる必要が出てきたということですね」

実践するからこそ、データを検証する必要性が出る

 実践するからこそ、データを検証する必要性が出る。それがないまま、データをたくさん見ていてもあまり意味がない。七海さんと友花里さんは麻間さんの考え方を理解しました。

 麻間さんは「商品販売実績管理エクセル」のサンプルを七海さんと友花里さんに渡していいました。

「こちらはおにぎり水産オンラインショップ用につくった商品販売実績管理エクセルです。七海さんと友花里さんは、1週間に一度、週のデータを集計してこのエクセルに入力してください」

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「『仮説・実践・検証』の繰返しがマーケティング分析力を向上させる」(マーケジンさん)

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから