「過ぎ去った過去」を振り返って、目標の実現性をアップさせよう【no.0471】
新年を迎え、今年の目標を立てている会社、そして個人の方も多いと思いますが、「これから始まる未来」を想像すると同時に、「過ぎ去った過去」を振り返ると、より目標の実現性がアップすると思います。
年末、弊社のクライアントに「1年前どんな施策を行っていたか」その資料をお渡ししました。コンサルティングの打ち合わせの後に、「次回のミーティングまでにやること」を議事録としてメールでクライアントと共有しています。ちょうど1年前のメールをそのまま印刷して、ミーティングの最後にお渡ししたのです。
一瞬、「あれ、これ何だっけ?」という反応です。メールの日付はしっかり1年前(2013年)を記していますが、同じ「12月」のメールですので、「あれ、今月、こんな打ち合わせをかな?」というように、2014年の12月のメールと勘違いをしているようでした。これは、ごく普通の反応だと思います。1年前の今頃、何に悩み、どんなアプローチを行っていたか、人は思っている以上に覚えていないものなのです。
だからこそ、ミーティングの議事録を残しておき、「過ぎ去った過去」を振り返れるようにしておくことが大切です。ちなみに、議事録は「要件」のみ、箇条書きで結構です。たまに、一言一句、ドラマの脚本の台詞のように議事録を残している方がいますが、残念ながら誰も読み返すことはありません。(司法に関わる内容の場合は別です)
「過ぎ去った過去」を振り返ることで、自分の成長を感じ取ることができます。自分は自分の唯一の主人公です。また、人生だけではなく、会社組織の仕事の関わりも、そのすべてが連続しています。日々、着々と成長をしていたとしても、その連続性から「いやー、私って成長したなぁ」と感じることは難しいのです。これを「1年前の自分」「1年前の事業」というように断片化することによって、過去との比較が可能になります。
「過ぎ去った過去」を振り返って、自分が何を出来るようになったかを書き出してみましょう。何を継続できたかを書き出してみましょう。意外と「できている」ものが見つかるはずです。そうすると、また今年も、成長の意欲が湧いてきます。どんな小さなことでも良いですから、自分を自分でたくさん褒めてあげましょう。これは、経営者・マネージャ・スタッフ・アルバイト、役職に関わらず全員に必要なことです。また、1年前に自分が抱えていた悩みが「いかに小さなものだったか」に気づくきっかけにもなります。今年もチャレンジする勇気が湧いてくるはずです。
そして「過ぎ去った過去」を振り返ることで、「今年の目標」が適切なものなのかを確認することができます。できれば一昨年、去年、今年と、「過去・現在・未来」の3つの目標を並べてみたいところです。とりあえず大きく目標だけ立ててみた系の「吹かした」目標は、正直あまり必要とは思えません。一昨年、去年の目標と、その達成度合いを確認することで、今年の目標として「どのあたりのラインが適切か」を再検討してみてください。
もし、目標のラインが高すぎると感じるならば、目標を下げても良いと思いますし、目標へのマイルストーンをいくつか設定して、それを「プチ目標」として立てるのも良いと思います。これを毎年(もしくは毎月)繰り返すことで、目標の立て方がどんどん上手になっていくはずです。目標を下げるのは、決して恥ずかしいことではありません。個人的には「目標を吹かす」方がよっぽど恥ずかしいと思います。自分は忘れていても、人は覚えていたりします。
あくまで、「目標の実現」に主軸を置くならば、今の自分に合った目標を立てることをオススメします。もし、実践を進める中で「目標が低い」と感じたら、上方修正をすればいいだけです。目標は絶対的なものではなく、そんなものなのです。「自分にとって都合の良い未来」は訪れません。「期待するけど、期待しない」ことが重要です。(でも、期待したくなっちゃうんだけども)
おわり。
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