「楽天スーパービジネスローン エクスプレス」がすごい。市場を変えてくれ!【no.0773】
先日、ネットショップ仲間の友人から電話がかかってきました。「5月くらいから楽天(に出店しているネットショップ)の売上が良くないんだけど、石田さんのところってどうですか?」という電話でした。なにより驚いたのは、かなり早朝に電話がかかってきたことでしたが・・笑
同じ週の週末に、こちらはネットショップ制作の会社の友人と食事をする機会がありましたので、「5月くらいから楽天が良くないって情報があったんだけど、どうですか?」と質問をしてみました。「同じように良くない」という答え。楽天市場のネットショップを諦め、力の配分をAmazonに入れている会社もあるようです。
弊社も楽天市場に出店している会社さんを数社コンサルティングさせてもらっていますが、いずれのネットショップも昨対越えを果たしています。ここはジャンル・商材の違いや規模感の違いなどもあるのでしょう。とにかく、市場が動いているという現実はおさえておいた方が良いところでしょうね。
楽天の新サービス「楽天スーパービジネスローン エクスプレス」
そんな楽天が10月に新しいサービスの申込みを開始しました。楽天市場出店者向けの融資サービス「楽天スーパービジネスローン エクスプレス」。
このサービスは、楽天市場の店舗管理システム「RMS」上のカード自動決済画面で借り入れの申込みができるというもの。これまでのサービスでは申込書や契約書を郵送する手間があったが、管理画面から申し込めることで、時間と手間が省けるということに。
融資金利は8.5%~14.5%。融資金額は上限500万円。そして、返済は楽天市場の売上から差し引かれるので、出店者は決済口座の管理の手間を省くことができる。そんな「楽天スーパービジネスローン エクスプレス」。
すごい、すごいぞ楽天・・!!
ネットショップの売上がそのまま楽天市場に差し引かれる!
現在、楽天市場にネットショップを出店する際は、カード自動決済処理機能R-Card Plusへの登録が義務づけられています。また、新規出店のネットショップについては楽天銀行(旧イーバンク銀行)の口座を開設し、銀行振込を希望するお客様に楽天銀行を案内することを推奨しています。
つまり、お客様がショップを利用するとき、クレジットカードを希望した場合はR-Card Plusに、お客様が銀行振込を希望した場合には楽天銀行に、そして今回の「楽天スーパービジネスローン エクスプレス」を利用した場合、ネットショップの売上がそのまま楽天市場に差し引かれることになるというわけです。
着々と楽天の中でお金が回る仕組みに・・!!
着実に経済圏が広がっています・・!!
楽天市場の出店費用、売上に対するロイヤリティ支払い、クレジットカード利用によるR-Card Plusへの料率支払いを合計すると、月商500万円のネットショップならば売上の10%程度。もし、「楽天スーパービジネスローン エクスプレス」を利用してネットショップを運営したならば、融資金利は8.5%~14.5%。平均の融資金利を10%とすると、合計して売上の20%を楽天に支払うことになるわけです。
これでは、相当な利益率がある商材を持っていないと、楽天市場では商売ができません。ある意味、「楽天スーパービジネスローン エクスプレス」を利用した時点で、商売としては終了なのでは・・。
ポジティブな面はEコマースの「市場の最適化」
と、ここまで少しネガティブな書き方をしていますが、ポジティブな面もあり、私はそこに期待しています。そのポジティブな面とは「市場の最適化」です。
楽天の一連のアクションにより、きちんと「違い」のあるものを作って、適正な販売価格・適正な利益で商品を売れる事業者が輝ける(そういう事業者しか生き残れない)ようになると、Eコマースの市場が「最適化」されるかもしれません。ネットショップの出店店舗数も半分くらいになるといいな。
おわり。
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