ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

「検索」で新しいお客様に知ってもらうための「原理原則」。5【no.0712】

 「検索」で新しいお客様に知ってもらうための「原理原則」。(前回はこちら

 自社のネットショップの商品ページが何ページ目の何番目に出ているか。検索結果の1ページ目にはどんな商品が並んでいるか。この2つを毎日同じ時間に見続けていると、順位が変動していることに気がつくと思います。

 検索順位が動いた場合、考えられる要因は基本的に3つです。ひとつは、自社の原因による結果。もうひとつは、他社の原因による結果。そして3つ目が、市場の原因による結果。この3つ目の「市場の原因による結果」というものが、ショッピングモールの「検索アルゴリズムの変更」ということになります。検索順位の検証としては、「自社の原因」→「他社の原因」→「市場の原因」の順番で確認をしていくのがセオリーです。

 まずは、自社の原因による検索順位の変化です。

 自社の原因というのは、簡単にいえば、「自社の商品がより売れたことによる検索順位の変化」もしくは「自社の商品が売れなくなったことによる検索順位の変化」を指します。わかりやすいのは、「自社の商品がより売れたことによる検索順位の変化」の方です。

 発売した新商品がヒットして、たくさんのお客様が購入してくれた。人気の商品の「売り切れ色」を追加したところお客様が購入してくれた。メールマガジンを流したところ、ネットショップへのアクセスが集中してお客様が購入してくれた。販促企画・キャンペーンがヒットしてくれて、お客様が購入をしてくれた。インターネット広告を活用したことにより、アクセスが増え、お客様が購入をしてくれた。新規顧客、既存顧客(リピート顧客)の動きが各々絡みますが、こういった施策によって「商品が売れる」と「検索順位が上がる」わけです。

 なので、検索順位が上がったとき、「あー、順番が上がったのは、先週末から始まった広告のおかげで注文が増えたからだね」とその原因を挙げられるならば、「因果関係が掴めた」ということになります。

 問題は、「検索順位が下がった」場合に、どう因果関係を考えるかです。

 基本的に、ネットショップの運営というものは「お客様にショッピングをもっと楽しんでもらうため」におこなっているポジティブな行動であるため、自社のネットショップ運営単体で見れば、成果が「マイナス」になるということはありえません。ポジティブな行動をとったときの結果は、「プラス」か「プラスマイナスゼロ」のどちらかしかないわけです。

 マイナス要因があるとすれば、お客様に向けてのアクション、アプローチに関してではなく、自社内における凡ミスです。在庫の補充がうまくいっておらず、商品ページから売れ筋の在庫が抜け落ちてしまっていた。商品ページの販売期間の表記を更新するのを忘れていた。ページを更新した際に、商品ページへのリンクを間違って入力してしまっていた。商品画像や商品説明テキストの更新を怠っていた。(例えば、すでに夏が終わる季節なのに、ページ上が「初夏」になっている、など)。このような場合は、「マイナス」が起こる可能性があります。

 「検索順位が下がった」場合は、自社のネットショップの中をチェックして、運営上のミスがないかをまずは探してみるのが良いと思います。

 とはいえ、自社の商品ページの「検索順位が下がった」場合、特別な凡ミスがなければ、「自社の検索順位が下がった」と考えるよりも、「競合の検索順位が上がった」と考える方が因果関係の整理としては正しいかもしれません。まずは、「自社の原因」を探して、その後に「他社の原因」を探していくのです。

 「他社の原因」を探すのは、2つのポイントで容易ではありません。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから