ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

セブンアンドアイのビジネスモデル変化へのメッセージ。【no.0073】

(前回のブログを読んでからこちらをご覧ください)
「インターネットって全然親切じゃないよね」という金言。参入のしやすさは、成功のしやすさではない、とは‥!?

■「知る人ぞ知る」はネット社会において必要か‥!?

 ヤフーショッピングの無料化によって、というかeコマース革命に限らず、テクノロジーがどんどん進化していって、ネットショップを作ることに対してお金が必要なくなってくるだろうし、作るの自体も楽になっていくのは間違いありません。今回の無料化によってネットショップに参入しやすくなったのは確かだけれど、これからさらに参入しやすくなっていくでしょうね。でも、参入のしやすさは成功のしやすさ、では全くないですよ、ってのが前回の話。

 それでも、やっぱり、何らかの形でインターネットビジネスには参入しなければいけないわけじゃないですか。ホームページを作って運用していくにしろ、ネットショップを作って運営していくにしろ。そりゃ、「ウチはネットはやらないんだ。リアルで知る人ぞ知る店になりたいんだ!」という方もいるかもしれません。徹底的に商品とかサービスとかに差別性があって、差別性があるものを生み出し続けられて、絶対的な自信があるなら良いんだろうけど、じゃあ、そのお店の情報を受け取る側は、どうやって知れば良いのよって話になる。

■サービス提供側はお客様主導で動かなくてはならない‥!?

 そう、お店のこだわりは様々で、そのこだわりの中にはインターネットというのは入っていなかったとしても、お客様はさ、インターネットで調べるわけよ。そのお店のことを。自分はどうでも良くても、顧客の側はどんどんインターネット上を動いているわけだから、ある意味、インターネット上に情報を出していないことは、お客様が求めているサービスに対して反していることになる。たとえ、どんなこだわりがあろうが。お客様の方が、どんどんリテラシーが高くなって、たくさんの情報が取得できるようになっている世の中だから、サービス提供側はお客様主導で動いて行かなきゃならない。というか、お客様主導で動いていくことが、これからの成功のキーポイントになるってわけ。

 セブンアンドアイグループのオムニチャネル構想について、いろんなところで記事になっているし、一昨日ブログでも取り上げたんだけれども、セブンアンドアイグループの300万点の商品をEC化する、なんてことは実は何てことでもない。商品マスターと在庫マスターを統合して、倉庫と物流の仕組みをつくることもお金と時間をかければできないことではない。あ、ごめんなさい、私はお金ないのでそんなことはできないですけどね。セブンアンドアイグループの資本ならできるでしょうってことです。

■オムニチャネル化は「手段」であって「目的」ではない‥!?

 さらに言えば、パソコン・スマートフォン・タブレット・実店舗・カタログ、どこでも商品を買えるようにして、どこでも商品を受け取れるようにするのも、これも別に難しいことじゃない。商品マスターと在庫マスターの統合ができていれば難しくない。つまりさ、オムニチャネル化すること自体はそれほど高いハードルではないし、オムニチャネルにすること自体が目的では全くないわけです。ここまでは単なるシステムの話ですからね。

 それでも、鈴木会長が「今までの40年間はセブンアンドアイグループの成長の第一段階、これからが成長の第二段階、それはリアルとネットの融合だ」といってるわけです。ここの意図は「単にオムニチャネル化しますよ」っていうだけの話ではない。単に新しいシステムを入れるだけならば、第二段階の成長とは言わないでしょう。つまり、これは「今までの40年間は商品主導で成長してきました。これからは顧客主導で成長していきます」っていうメッセージなんです。セブンアンドアイグループのビジネスモデルを変えますよ、っていうメッセージなんですよね。

 じゃあじゃあ、なぜオムニチャネル化へのチャレンジが「商品主導→顧客主導」のビジネスモデルを実現していくのか。

続きはこちら。
「商品主導」のマーケティングから「顧客主導」のマーケティングへ。オムニチャネル化構想の真実とは‥!?

 

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 5.Eコマースの分析, 7.Eコマースのひと工夫

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから