ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ヤフーショッピング広告戦略のポイント・考え方。終【no.0047】

(前々々々回、前々々回、前々回、前回のブログを読んでからこちらをご覧ください)

ヤフーショッピングの無料化で、EC業界にはどんな影響がでるのか・・?
ヤフーの「eコマース革命」は改善のチャンス!いま出店者がやるべきこととは・・?
これは早目に知っておきたい・・!ヤフーショッピング広告戦略のポイント・考え方。前編
これは早目に知っておきたい・・!ヤフーショッピング広告戦略のポイント・考え方。後編

 「これは早目に知っておきたい・・!ヤフーショッピング広告戦略のポイント・考え方。」終章です。

■広告の表示率について考えてみましょう‥!

 前回のブログでは、

ヤフーショッピングの対象ページ表示回数 × 広告表示率 × 広告クリック率
 = ネットショップに来店してもらえる人数

 ということで、これを最大化させるために、ヤフーショッピングの対象ページ表示回数を最大化させるためには何を考えたらいいか、というところを書きました。次は、広告表示率についてです。

 この広告表示率とは、同じ広告に出稿している広告数を、同時掲載数で割った確率です。ヤフーショッピングトップページのプロモーションボックスであれば、同時掲載数が1で最大出稿数が3なので、3枠とも売り切れた場合、広告表示率は33%になります。同じトップページのサウスセンターという広告の場合、同時掲載数が8で、最大出稿数が20なので、20枠とも売り切れた場合、広告表示率は40%です。プロモーションボックスの広告表示率が33%、サウスセンターの広告表示率が40%だからといって、一概にサウスセンターの広告の方が効果を取れるか、というとそうではありません。プロモーションボックスの広告画像の方が、サウスセンターの広告画像よりも5倍程度大きいのです。しかし、値段はプロモーションボックスの方が2.5倍程度、サウスセンターよりも高いという。このあたりは、ヤフーの広告を作る側がうまく調整しているのでしょう。

■表示率を最大化させるために知っておきたいこと‥!

 そんな中で、広告表示率を最大化させるために考えたい具体的なポイントを2点あげます。1つは、最大出稿数が埋まらない広告があるということ。つまり、ヤフーの広告を作る側の調整よりも、大きな効果が出てしまう広告枠があること。もう1つは、広告の表示回数は必ずしもお客さまの「目に触れている」回数ではないこと。つまり、ページは表示されているが、広告自体がマウスでスクロールをしなければ見られない場所にあれば、それは「目に触れられていない」可能性があるということです。ここは押さえておきましょう。

 そして広告クリック率。ネットショップ出店側としては、ここが完全に自社のノウハウでコントロールが効くところです。広告のクリック率はどんな要素から成り立っているかというと、

 メイン商品 × 広告画像力 × 広告テキスト力 = 広告クリック率 です。

 リスティング広告のようなクリック課金型の広告でなく、固定価格のバナー広告であれば、クリックされればされるほど、より効率的にお客さんにネットショップや商品を知ってもらえることになるわけです。もちろん、広告の外注という選択肢もありますが、自社としてノウハウをより高めたいなら、本を読んだり、ネットショップ仲間に相談したり、モールの担当者に意見を聞いた上で、「仮説を立てて実行、数字を取って改善」を繰り返すしかありません。

■こんな考え方は「考え続け」なきゃ出てこない‥!

 ひとつ、具体的な話をします。私がネットショップの運営者時代に、成功した広告の例です。ヤフーショッピングのノーステキストという、テキストだけの広告に出稿した時のことです。その広告は全角25文字(50バイト)以内でテキストを出稿する広告です。この広告を数回試し、「もっとお客さんにクリックしてもらうためにはどうすればいいか?」を考えた結果、1つのアイデアが浮かびました。

 ヤフーショッピング第一位獲得!9色から選べるバッグ♪

 というテキストで入稿するところを、こうしたんです。

 YAHOO!SHOPPING第一位獲得!9色から選べるCUTEバッグ♪

 もう数年前のことなので詳細なテキストは忘れましたが、確かこんな感じだったと思います。なんでこうしたか?もうわかった方もいると思いますが、並べてみると一目瞭然です。

 ヤフーショッピング第一位獲得!9色から選べるバッグ♪
 YAHOO!SHOPPING第一位獲得!9色から選べるCUTEバッグ♪

 これ、両方とも50バイトちょうどです。少し、下の方が長いでしょう。アルファベットの半角大文字を使ったマジックです。マジックというほどでもないちょっとした工夫ですが、実際、こんな工夫だけでクリック率が15%ほど上がりました。なーんだ、というような工夫ですが。

 もちろんここで言いたいのは「半角大文字は使える」ということではありません。こんなアイデアが出てくるまで、アイデアを出し続けて試して改善を繰り返してこそ、自社の勝ちパターンをつくっていける、ということです。だから、たとえヤフーショッピングのサイトの仕様が変わって、広告枠がガラガラポンになったとしても、きちんとした理論を習慣として身につけておけば、また新しい勝ちパターンをつくることができます。

■やっぱり、1つ1つの知識と知恵の積み重ねなのです‥!

 もう一歩先の考え方になりますが、広告戦略にトライする際、下記を注意できれば良いでしょう。

 ①現在わかっているもの:広告費、自社商品の利益率(%)など

 ②過去のデータから予測できるもの:転換率(%)、客単価(円)など

 ③広告申込み後に確定するもの:広告表示率(%)など

 ④広告をやらないとわからないもの:広告クリック率(%)など

 広告をやらないとわからない情報はあります。でも、広告をやる前(もしくは申し込み後)にわかる情報もあります。まずはそれを自社内できちんと整理しておくことです。そして、広告は④の積み重ねです。仮説と実行、数字による検証を続けて、成果を最大限高めていくならば、広告を出稿するたびに「ノウハウが蓄積される」仕組みが必要になります。あれやこれやと手を出し過ぎると、①~④のどこを改善すれば良いのかわからなくなってしまいます。広告戦略のみならずですが、どこかに型を決めて、試行錯誤し続けることをオススメします。

 「これは早目に知っておきたい・・!ヤフーショッピング広告戦略のポイント・考え方。」おわり。

本記事の著者へのお問い合わせはinfo@ecmj.co.jpまで。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 8.Eコマースの集客

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから