目指せゴルフ場の勝ち組。市場縮小に勝つマーケティング。序 【no.0076】
目指せゴルフ場の勝ち組。ゴルフコースの市場縮小に勝つマーケティング。序章・・
ゴルフコース再建のために課した課題とは‥!?
弊社、株式会社ECマーケティング人財育成の初代取締役で、「週刊ダイヤモンド」や「もしドラ」、最近だと「伝え方が9割」なんかで有名な元ダイヤモンド社の社長&会長を勤めた故・岩佐豊氏から聞いた話です。面白い話だったので、まずはそれを書きます。
あるところに潰れかけのゴルフコースがあった。赤字続きの経営難、よくある話だ。最後の賭けと思って呼んだコンサルタントは元トヨタのコンサルタントだった。元トヨタのコンサルタントがどんなコンサルティングを!?みるみる数字が上がる提案をするのではないかとみんなが期待をした。ところが、コンサルタントが指示したのは、とても地道で、面倒なことだった。
コンサルタントは会議室全面に大きな紙を貼らせ、大量の黒マジックを用意させた。そこに1日1個、改善アイデアを書かなければならない。それも全員。責任者はもちろん、フロントのお姉さんも掃除のおばちゃんも全員だ。コンサルタントは毎週水曜日にコンサルティングにやってくる。そして毎日1人1個の改善案をきちんと出しているかを正確にチェックする。だから、地道で面倒な作業でも毎日やり続けなければならない。
売店のおばちゃんが出した、改善アイデアとは‥!?
1日1個、毎日アイデアを出していると、当然ながら持ちネタがなくなってくる。改善アイデアをなくさないようにする。そのためには、毎日ネタを探しながら仕事を行わなければならない。それは続けることでひとつの習慣になっていく。そして、1人1人、1つ1つの仕事の見方・捉え方・考え方が自ずと変わっていくのだ。
このゴルフコースの6番だか7番だかがパー3のショートホールだった。そして、そのホールのティーグラウンドの横に、小さな売店があった。チョコレートをつまんだりコーヒーを飲んだり、ラウンド中にひと息つくための売店だ。ある日のこの売店を担当するアルバイトのおばちゃん。「ピンを少し難しくできないでしょうか?」という改善アイデアを出した。
ショートホールのピンの位置が簡単だと、どんどんプレーヤーが通過してしまう。ピンの位置を難しい位置に変えて、組のうち1人や2人がOBを打ち込むようになれば、ショートホールの前で次の組が滞留し、売店を利用してくれる可能性が高くなるのでは、というのだ。
徹底して継続することで、行動習慣が変わっていく‥!?
もちろん言いたいのは、ピンの位置を変えれば売店の売上が上がるではない。売店のおばちゃんからもこのような改善アイデアが出てきた、ということだ。毎日1個を続けたからこそ、行動習慣が変わり、改善アイデアが掘り下げられたわけだ。このおばちゃん、すごくないですか?
結果、新規顧客・リピート顧客ともに増え、いまは元気に営んでいるらしい。
この改善を行う中で一番大変だったのはマネージャー。毎日1人1個の改善アイデアに、赤文字で必ずそのレビューを書かなければいけない。また、改善アイデアの優先順位の決定とスケジュールの作成もマネージャーの役目だ。その点ではコンサルタントに徹底的に鍛えられたわけだ。このマネージャーが実は一番仕事力が上がって、コンサルのメリットを享受したという。
と、そんな話なんですが、これがトヨタ式の「毎日改善」というものなんですね。もしゴルフコース再建を弊社が行うなら「データを取って、毎日改善」ができそうです。
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目指せゴルフ場の勝ち組‥!市場規模縮小を生き抜くためのデータマーケティング【壱章】
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