猪井氏事務所との契約締結。3年で卒業すること!【no.0504】
ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら)
新しいおにぎり水産ネットショップの企画をおおまかに決め、鬼切社長と麻間(あさま)さんの打ち合わせが終わりました。決定事項に沿って、麻間さんが新ネットショップのベースとなるデザインとレイアウトを起こし、また鬼切社長と3週間後に打ち合わせを行うことになりました。
そして、今日は猪井氏(いいし)先生が鬼切社長に訪れる日でした。今回、猪井氏先生がおにぎり水産に来る目的は、今後Eコマース戦略を進めていくための、おにぎり水産と猪井氏俊夫事務所のパートナー契約の締結でした。
鬼切社長は、これまで猪井氏先生にたくさんお世話になっていることから、猪井氏先生にどんな契約条件を提示されても受けることにしようと考えていました。ただ、猪井氏先生と契約の話を詰めるのは初めてのことであり、ましてやこれまでの打ち合わせとは全く異なる話なので、緊張をしていました。
猪井氏先生は、いつものようにおにぎり水産にやってきて、いつものように会議室のソファーに腰かけました。すると、鬼切社長が挨拶をする前に、猪井氏先生から切り出しました。
「鬼切はん。ワシの事務所との契約じゃけど、こんな感じで考えとるんじゃが、どうかな」
猪井氏先生は革の鞄から、「契約条件(仮)」と書いた紙を取り出しました。そこには、このように書いてありました。
・契約期間:3年【3年間で卒業すること!】
・月額コンサルティング費用:20万円(税別)【麻間が動く金額】
・出来高報酬:おにぎり水産Eコマース事業売上の30%【契約期間内は利益をシェアすること!】
「す、すいません。猪井氏先生、ちょっと説明をいただけますか」
あまりにも書いてある内容が少ない、そして妙な注意書きが書いてあるので、鬼切社長は驚いて猪井氏先生にお願いをしました。
「もちろんじゃ。説明せんとわからんよな。まず、コンサルティング契約にあたって決めたいのが、『期間』と『費用』じゃ。もちろん、『やること』とかもあるんじゃけど、そこは今までの打ち合わせで十分わかってると思う」
「そうですね。そうですね」。鬼切社長は猪井氏先生の言葉に相づちを打ちながら聞きました。
「まず『期間』じゃけども、3年間、ワシと麻間のコンサルティングを受ける覚悟でお願いしたい。まあ、3年の間におにぎり水産の環境も変わっていくと思うし、実際の契約は1年契約の3年継続ということになるんじゃけども、3年間でワシと麻間の知っていることを全部飲み込むつもりでやってくれ、ということじゃな」
「いやー、猪井氏先生と麻間さんに3年で追いつくのは流石に無理ですよ」。鬼切社長は苦笑しました。
「まあ、ワシと麻間が厳しく徹底的に原理原則から教えていくからな。インターネットビジネスの『選択と判断』をおにぎり水産の社内の人財でできるように必ずしてやるわワイ。マーケティングの原理原則はワシが指導をしていくし、スキルやノウハウの部分は麻間が少しずつ教えていくから安心せい。だから、3年で卒業ができるように頑張れよ」
「はい」。鬼切社長は、自信なさげに小さな声で答えました。
「ほんで、『費用』じゃけど、ここは月額の固定の金額と出来高の金額のふたつがある。月額固定のコンサルティング費用が月20万円。これは、麻間がコンサルティングのために動く最低限の金額だと思ってくれ。ワシが現役だったら、こんなもんじゃないんじゃけど、もう半分は引退したようなもんじゃからな。このくらいでお願いするわ」
「はい」。鬼切社長は、普通の声で答えました。
「それと、出来高についてなんじゃけども。コンサルティング契約をしている間の3年間は、利益をシェアする形でお願いしたい」
鬼切社長が一番気になっていた項目も、ここでした。
つづきはこちら。
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