ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

動画コンテンツって正直見られるのかなぁ・・動画についてのひとつの考え方【no.0551】

 先日、ネットショップを運営している友人と話していたら、「いまウチのネットショップでは、とにかく動画に力を入れているんですよ」と言っていました。「なるほど、動画か」と。

 動画コンテンツを活用することに対して、少し懐疑的なイメージを持っているのがこの私です。そりゃあ、動画コンテンツがあった方が良いに越したことはないですが、「いま力を入れるべきところはそこかなぁ」と思ってしまうのです。ここからは、あくまで私個人の意見でありますし、動画コンテンツを全否定する気もないので、「そういう考え方もあるよなぁ~」と広い心で読み進めてください。

 まず、動画コンテンツの活用は「興味がある人に、もっと興味を持ってもらうため」の手段であり、「興味がない(ニュートラル)な人に、興味を持ってもらうため」の手段ではない、ということです。一見すると、魅力的な動画コンテンツを作ることで、新しいお客様にネットショップへ来店してもらえる、そのように感じるのですが、動画コンテンツを作っても新しいお客様はアクセスしてくれません。

 ただし、動画コンテンツを作ることで、新しいお客様にアクセスしてもらえる可能性が2つだけあります。ひとつは、ソーシャルメディアで話題になり、広く拡散されるほどのヒットコンテンツを作ることができたとき。もうひとつは検索エンジンでの「動画」の検索結果にヒットしたときです。しかし、前者を狙っておこなうのはハードルが高く、後者は検索されるボリュームが少なすぎます。動画専門サイト(youtubeなど)以外で、動画を検索する人、そんなにいないですよね。

 やっぱり、新しいお客様にリーチしたいなら、動画コンテンツより地道にテキストコンテンツを増やした方が良いです。

 もうひとつ、そもそも論です。動画って、そもそもみんな見るんですか?という話です。もちろん、面白い動画は見ます。ソーシャルメディアでシェアされている動画とか、見ますよね。ごくごくひと握りの運とタイミングで起こるヒット動画コンテンツは見られると思うのですが、今後動画コンテンツがどんどん増えていったとして、「人間はそんなことに時間を使わない」のではないかと思うのです。

 ここが動画コンテンツの決定的なウイークポイントだと思います。つまり、動画を見る人間が、動画のペースに合わせなければいけないんです。動画のペースとは、つまり時間です。60秒の動画であれば、60秒の時間をかけないと60秒の内容を楽しむことはできません。見る人間は、その60秒を30秒とか20秒とかに縮めることはできないんですね。ここが動画コンテンツに対する疑問符です。「そもそも見るの?」と。

 これが画像コンテンツとか、ブログコンテンツであれば、ユーザーが「自分のペース」でウェブサイトを楽しむことができるじゃないですか。こちらの方が、「より強化し甲斐がある」と思うのですが、どうなのでしょうか。確かに最初はいいんだけれども、動画コンテンツは他よりも力を入れるようなものかなぁと思うわけです。

 たしかに、動画で商品をグルグル回しているところを映した方が、商品の全容がわかって良いわけです。画像やテキストを作る手間も省けます。でもそれって、ユーザー側に「あなた自ら感じて欲しい」というボールを投げているようで、なんだかいい気分がしないんですよね。やっぱり商売だったら、商品を提供している人が「伝えて、買ってもらう」それが重要なのではないかと思うんですよ。動画コンテンツって、あくまで補完のためのものだと思うんですよね。

 そんな動画コンテンツに対する「ひとつの考え方」でした。毎日ブログを書いた方がはるかにいいですよ。

 おわり。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから