ビールの売り子が「データベースマーケティングを活用して」野球場で最大の売上を上げるには?前編 【no.0020】
■野球場で食べるご飯はウマい。ビールもウマい‥!
9月になってもまだまだ暑い夏。とっくに終わりましたが夏といえば高校野球。今年の優勝校は前橋育英。高校野球はとっくに終わったけど、ペナントレースはこれからが佳境ですね。と言いたいところですが、セ・リーグは巨人、パ・リーグは楽天でほぼ決まり。楽天はまだまだわからないですかね。巨人はほぼ決まりですかね。クライマックスシリーズがあるので、先は長そうです。
そう、私は野球が好きなんですね。特に好きな球団はあるんですが、余計なバッティングを避けるために敢えて名前を出さないようにしています。もっぱら自宅でのテレビ観戦ばかりですが、年に何回か(8回くらい?)は球場に観戦へ参ります。自宅が東京ですので、東京ドームか神宮球場、少し足を延ばして横浜スタジアム、というところです。
球場での生の野球観戦の醍醐味、といえばもちろんプロの選手たちの躍動ですが、同時に楽しみなのが、グルメ。球場の中で買うと、少し値段が高いので・・とも思いますが、球場内で買った食べモノは不思議とウマい。一歩、球場の外に出れば、同系統の競合他店の波に溺れてしまうでしょうが、球場の中だからこその良さがありますよね。食べモノだけでなく、飲みモノもウマい。初めて野球場に行ったのは、小学生時代の懐かしき後楽園球場ですが、ビールやジュースの売り子さんを他では見たことがありませんでしたから、少なからずの感動がありました。
球場の売り子さんって、たしか出来高払いなんですよね。1試合あたりの基本給が決まっていて、それにプラスして販売数に応じた出来高が支払われる。だから要領を掴んだ子にとっては非常に割りのいい仕事になるみたいなんですよね。まあ、それは個人の技量によるものなので、全体の売上には大きく影響しないかと思うのですが、今回のマーケティング戦略のテーマとして、「ビールの売り子を使って、野球場でビールの最大の売上を上げるには?」を考えてみましょう。
■ビールの売り子さんの売上を最適に最大化するには‥!?
まず、「ビールの売り子を使って、野球場でビールの最大の売上を上げる」ということを定義したいと思います。今回のマーケティング戦略の考え方としての条件はこちらです。
・野球場内でのビールの売上は、ビールの売り子からの売上によるものとし、他球場内のショップで売っているものは対象外とする。
あくまで、ビールの売り子が売ったビールの売上が野球場全体のビールの売上になる、ということですね。それを前提として、「ビールの売り子を使って、野球場でビールの最大の売上を上げる」もっとも理想的な状態は、どんな状態でしょうか。簡単です。球場に観戦に来られる方を「ビールを飲む人」に限定すればいいんです。
東京ドームなら満員であれば55,000人が収容できます。すべてのお客さんがビールを飲む人であれば、一杯700円を1試合で2杯飲むとして、7,700万円の売上が見込めます。今回のテーマとしては、「ビールの売り子をいかに効率的に動かして最大の売上をとるか」なのですが、根本的なことを言ってしまえば、「ビールを飲む人を集めれば売上はとれる」ということです。そして、ビールが好きで好きで好きすぎれば好きすぎるだけ、売上はとれるわけです。1人が1試合に5杯飲めば、1億9,250万円の売上です。野球の1試合が約3時間であることを考えれば、10杯以上飲む人もいそうですよね。
ただし、球場にビール好きを集めるためのマーケティングを行うために、プロモーション費用がかかりますし、もしかしたら入場無料にしなければいけないかもしれませんね。全員がビール好きだと、ビールの売り子さんがとんでもなく回転することになりますから、かなりの人数が必要になりそうです。ただ、収益というのは、結局はバランスなので、最大に売上をとれる状態をまず考えてから、それぞれのコストがどのポイントであれば見合うか、施策とコストと成果の数字を見比べて、最も利益が取れるところに落とし込めばいいわけです。
■アクションを考えるにあたって、どんなデータが必要かを考える‥!
本丸である、「ビールの売り子をどう動かすか」についてです。成果を最大化するために欲しいデータとして、以下の3つを考えました。
・座席データ:顧客データと同じです。球場では毎試合、座るお客さんが変わるので座席データを顧客データと同じに使います。
・試合データ:野球の試合の経過を蓄積するデータ。日付や気温や天気、などの環境についてのデータも含まれます。
・注文データ:ビールの注文が入ると、データが蓄積します。「アサヒ・2杯・18:23」というような感じです。
次に、ビールの売り子さんの動きです。試合前に試合データを確認しておきます。これまでの試合データにおいて、当日と環境が近い日があったかをデータから確認します。天候・日付・対戦相手・対戦成績・先発ピッチャー・スタメンなどのデータは試合前でも確認できるでしょう。その当日と似通った試合データを過去から探し出すのです。もちろんビールの売り子さんはあくまでアルバイトなので、試合データを加工したマーケティングデータとして吐き出す仕組みが必要になります。
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ビールの売り子を使って、野球場でビールの最大の売上を上げるには?後編
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