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きたれ女性と若者!競馬人気をまくり差せ!競艇場「売上アップ」マーケティング。三【no.0600】

 きたれ女性と若者!競馬人気をまくり差せ!競艇マーケティング。(前回はこちら

*デジタルマーケティングの概念を競艇場で活用する

 マーケティングを仕掛けていくときに最初にやらなくてはいけないことは、「改善活動(マーケティング活動)の評価の軸を決める」ことです。現在はリアルのシステムもデジタル化していますから、デジタルマーケティングの概念を競艇場という「リアルの場」でも活用できると思います。

 ちなみに、最初にやってはいけないことは「何をやればいいかを考える」ですね。ここから入ってしまうと、施策というボールの投げっぱなし状態になってしまいます。あくまで、「どの数字項目をマーケティング活動の成果指標にするか」を考えるのが先。それから、「何をやればいいかを考える」の流れでいきましょう。いきなり「テレビCMを打ちましょう!」という具体策ではダメなわけです。

 競艇場のマーケティングを展開していくにあたり、最初にウォッチしていく数字項目は「来場者数」が良いのではないかと考えます。

*「売上」が成果指標にはならない理由

 「売上」は成果指標にはなりません。来場したお客さんが使う金額は一定ではないからです。特定のお客さんが1レースに1億円を賭けることもあるでしょうし、全員が1レースに100円しか賭けない可能性だってありえます。

 「客単価」も同様です。競艇場の場所(土地柄)にもよるでしょうし、客単価は割り算で算出する数字なので「分母」「分子」のいずれかが動けば、数字が変わります。来場者が1名・使った金額が1億円だと、「客単価=1億円」で目標達成になるかもしれませんが、果たしてそれが良いことなのか?という話です。さすがに来場者1名はマズいでしょう。

 「投票件数」も最初の成果の指標としてはイマイチかなと感じました。「投票件数」とは、レースで購入された「舟券(=競馬でいう馬券)」の数です。実店舗やネットショップでいうところの「購入件数(=受注件数、注文件数)」と同じイメージだと考えてください。

 「投票件数」はいずれ成果分析をしたい数字項目ではありますが、あくまで「お客さんが来場した後に増える」ものであるので、まずは「競艇場に来てもらう」ところに絞って、マーケティング活動をするのが良いと考えました。この部分は考え方はそれぞれです。

*「競艇場に来てもらう」ためのマーケティング活動を行う

 ということで、まずウォッチするのは「来場者」の数字項目です。

 「競艇場に来てもらう」ためのマーケティング活動を行うにあたって、「競艇場には来ないけど、場外の舟券投票場(=競馬でいうWINS)には行った」というお客さんが現れる可能性があります。しかし、ひとまずそのようなお客さんはデータとしては無視をすることにします。条件を絞って成果指標も絞って、「実践(=原因)」と「来場者数(=結果)」の関係性を読んでいくことが大切です。

 話をシンプルでわかりやすくするために、ここからは私が行きつけの「戸田競艇場(以下、戸田競艇)」をサンプルとして使わせてもらうことにしましょう。

 マーケティング活動のスタート地点として戸田競艇がやることは、競艇レース開催中の「来場者数」を管理するエクセルを作ることです。1枚のエクセルシートに「日付」の欄を作ります。「来場者数」の欄を作ります。「施策・改善策」の欄を作ります。「理由・特筆事項」の欄を作ります。この4つの項目を管理するエクセルを作るわけです。

 「日付」はそのまま「日付」です。4月1日、4月2日、4月3日と入力をしていってください。エクセルならば、ビーっとドラッグをするだけで簡単に入力ができると思います。

 「来場者数」は、その日戸田競艇に来場したお客さんの数です。競艇は同じ競艇場で毎日開催しているわけではありません。5~6日連続で続く開催が、月に2~3回催されるという感じで行われています。開催がないときは来場者はいないので、もちろん「0」で構いません。開催日だけ「来場者数」を入力していきます。

 さて、ここで問題になるのは「来場者数」というデータが正確に取得できるか、というところでしょう。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから