お客様が「選んだ理由」は、客観的に「勝っている部分」【no.1088】
少し遅めの夏休みということで、最近、2か所のホテルに泊まる機会があったんですね。ひとつは、鬼怒川のホテル。もうひとつは、水上温泉のホテル。
基本的に我が家の旅行の目的は「バイキング」と「温泉」なんですね。鬼怒川に行くにしても、水上温泉に行くにしても、周辺の観光施設とか観光名所とかはあまり興味がなくて、早めにホテルにチェックインして、温泉に入って、バイキングの夕食を食べて、また温泉に入って、寝て、翌朝また温泉に入って、バイキングの朝食を食べればそれで満足なんです。
子どもが生まれる前も含めて、この手の「●●温泉」の「バイキング×温泉」は20ホテル以上泊まったことがあると思います。数えてはいないですが、それなりの数、宿泊させてもらいました。
で、やっぱり、「そのホテルを選択した理由」ってのが必ずあるんですね。いまはインターネットの時代ですから、ホテルを選ぶときは宿泊サイトとホテルの本サイトは必ず見ます。そして、選ぶときには必ず複数の選択肢があります。本サイトを見比べながら、「バイキングはこっちが良さそうだな」とか「温泉はこっちが良さそうだな」とか、外せない条件を確認した上で、ホテルを予約するわけです。
実際の話、今回の旅行では、鬼怒川のホテルこそすぐに決めたものの、水上温泉のホテルはふたつの候補でとても迷いました。ちなみに、鬼怒川のホテルをなぜすぐに決めたかというと、「バイキング」がある他の主要なホテルは過去に泊まっていたのでした。なので、選択肢が一択だったのです。
ここで重要だと思うのは、水上温泉のホテルの事例です。私というひとりの客が、ホテルAとホテルBのふたつの選択肢で迷っていた。いくつかの条件を比較した結果、ホテルAを選んだ。このホテルBと比較された「いくつかの条件」をホテルAは把握しているのか、ということです。
厳密にいえば、この「いくつかの条件」を100%把握することはできません。ただ、把握するための努力をしているか否かで、お客様にヒットする改善の1%1%の確率が変わってきます。「圧倒的な差」によってホテルAを選ばれたのか、「ごくごく僅差」でホテルAを選ばれたのか、後者であればホテルBに簡単にお客様を取られてしまう可能性もあります。
鬼怒川のとあるホテルは、すでに4回ほど宿泊をしています。顧客データベースに私の名前が入っているようで、フロントの方に「石田様、いつもありがとうございます」と言っていただきます。それは嬉しいのですが、「なんでリピートしているか、聞かないのかな?」というのが少々疑問です。
「リピート=マーケティングの成功」と捉えられているのかもしれませんが、自分たちの狙った意図とずれたところでリピートが得られているとすれば、未来の施策に不安が残ります。やはり、「結果」に効いている「原因」の一端は何とか捕まえておきたいところです。
話としてはごくごくシンプルです。お客様に直接聞くしかありません。ホテルの部屋にアンケート用紙がおいてあるところが多いですが、書いてくれるお客様は少ないでしょう。宿泊サイトのレビューも「選んだ理由」ではなく「泊まった感想」なので、不十分です。
お客様に引かれてしまうのでは?失礼にあたるのでは?と思ってしまうことですが、「選んだ理由」ほど重要なものはありません。なぜなら「選んだ理由=勝っている部分」なわけですから、徹底的に追求する必要があります。じゃあ、誰がその役を引き受けるのか。当然、ホテルの支配人でしょう。
おわり。
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