いまいくら頑張っても「年数」は増えない。だからこそ「年数」には価値がある【no.1001】
ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら)
「30年で0.1%未満!だとしたら、おにぎり水産のように70年続いている会社は何%なのか、まったく想像がつかないですね」
友花里さんがいいました。「0.01%とか0.001%とかじゃないの?」。七海さんがいいました。
「0.001%ってことは、1万社にひとつってこと?いや、1万社にひとつだと0.01%か。じゃあ、0.001%ってことは、10万社にひとつってことか。すごいですね、おにぎり水産。そんなこと意識したこともなかったです!」
友花里さんが興奮していいました。鬼切社長はいいました。
「まあ、実際に70年継続している会社のデータをみたこともないですし、0.01%なのか0.001%なのかってことはわかりません。少なくても30年で0.1%ですから、それ以下であることは間違いないですね」
鬼切社長がそういって少し笑うと、七海さんと友花里さんも笑顔になりました。
「継続率・・の話はともかくとして、この『年数』の重要なところの話なんですが、『売上』や『利益』、『従業員数』などの指標と、この『年数』という指標。明確に異なる部分があるんですが、友花里さん、わかりますか?」
「そうですねぇ。うーん、どうだろう。『売上』や『利益』、『従業員数』は会計に紐づく数字だと思うんですが、『年数』はそこにあまり紐づかないと思うんですよね。そういうところかなぁ。でも、それだとすごく重要な指標って感じではないですよね」
友花里さんがいいました。
「友花里さん、なんとか回答を絞り出してくれてありがとうございます。では、友花里さんにヒントなのですが、この『年数』という数字は物理的に簡単に上げる(増やす)ことができる数字ではないんですよ。ポイントはそこです」
「『年数』は物理的に上げることができない・・、ということは『売上』や『利益』『従業員数』は物理的に上げることができるってことですよね。確かに簡単ではないと思いますが、テレビで紹介されたり、雑誌で紹介されて加速がつくと、立ち上げたばかりの会社でも年商10億円とか、従業員数100人、みたいなことになるイメージがあります。社長がおっしゃる物理的って、そういう意味ですよね」
友花里さんがいいました。鬼切社長は友花里さんの意見に頷いていいました。
「そうです。『売上』や『利益』『従業員数』は、今日の自分たちの努力や市場環境の変化によって、今でもコントロールすることができます。もちろん、売上を上げることも、利益を増やすことも、従業員を雇うことも簡単ではありません。ただ『年数』というのは、それを超越しているんですね。つまり、自分たちの努力ではなんともならない、ってことなんですよ。七海さん、なんとなくわかりましたか」
「なんとなくわかりました。もし私と友花里が今日、いままでの100倍頑張ったとしても、おにぎり水産の『年数』は70年からいきなり100年にはならないってことですよね」
七海さんはニヤニヤと笑いながら、鬼切社長に向かっていいました。
「たとえがイマイチですが、極端にいえばそういうことですね。だから『年数』を増やすためには、着実な努力を続けなければいけない。市場環境が向けば一時的に『売上』『利益』『従業員数』を増やすことはできるかもしれませんが、良い時があれば必ず悪い時がやってきます。自分たちの継続的な努力によって、その波を乗り越えられたか。『年数』はだからこそ価値があると思うんですね」
つづきはこちら。
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