ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ガイアの夜明けのGUの人財育成。スリッポン120足売るためには?後【no.0997】

 実店舗(GU)でスリッポンを月間120足売るためには。(前回はこちら

 まずは「広告を使わない」ということが前提。店舗内を改善し、工夫を施すことによってスリッポンを月間120足売るための施策を考えていきます。放送はされていないけど実際に大垣の店長さんが取り組んだこととか、GUの販促の規定に引っかかることがあるかもしれなけども、そこはご容赦を。

*まずは、日次・週次・月次の指標を把握する

 ネットショップの公式といえば「アクセス人数×転換率×客単価=売上」。今回の場合、目標値がスリッポン月間120足なので、「アクセス人数×転換率=スリッポン120足」というようになりますね。

 月間目標が120足なので、1日4足、1週間で28足売れると目標が達成できると。まずは、日次・週次・月次の指標を把握しておくことが大事。月間120足の目標を「絶対に」達成するための改善指標になりますし、成果検証の数字にもなります。これが週次・月次だけだと、改善サイクルは5回になってしまいますからね。やっぱり35回、改善サイクルを回したいところ。

 実店舗の場合、POSで120足販売のデータを取得することはできますが、「アクセス人数」の部分がわからない。つまり、何人のお客様が来店してくれたか、もしくは何人のお客様がスリッポンを気にかけてくれたのか。ここがわからない。なので、ひたすら「数字が上がるのではないか?」という努力をする。そして、最終的な成果(販売数)や定性的な「お客様が手に取ってくれるようになった」などから検証を繰り返していく。

*店舗の中に複数の「スリッポンコーナー」をつくる

 「アクセス人数=スリッポンがお客様の目につく回数」というように考えると、ポイントはやはりレイアウトかなと思います。番組の中では、よりお客様の目につきやすいレジ近くに棚を移動していましたが、店舗の入り口(おそらく2か3方向から入店できる)にもスリッポンのコーナーを作ってしまいます。店舗の複数の場所に置いてはいけない、という決まりがなければ。

 店内の遠くからでもスリッポンを販売していることがわかるように、ポップなども必要です。来店してくれたお客様の目に触れる回数が増えると思います。つまり「アクセス数増」ですね。

 そして「転換率」への対策。スリッポンに目を留めてくれたお客様により商品を購入してもらうための工夫ですね。直感ですが、まずは「スリッポン」という商品自体が何なのかを改めて説明するコンテンツがあった方が良さそうです。「何が便利なのか」「どういう使い方・楽しみ方が合うのか」をはっきりと発信できると良い気がします。

*新しい仮説を立て、次の実行につなげていく

 あとはショップ店員からのおすすめコメント。実際にスタッフが履いてみた感想、お客様からいただいた声などを掲示します。ネットショップのスタッフコメント、レビューみたいなものですね。販売実績などもあれば、それを露出するのも良いかもしれません。あとはコーディネートですね。セット売りだけではなく、マネキンを使ってもいいと思いますし、可能であれば複数のコーディネートの写真を撮って店内に掲示してもいいかもしれません。

 ・・と極めてネットショップ的ではありますが、改善アイデアを考えてみました。店舗のスペースの都合とか、作業の手間とか現実的なハードルがたくさんあるのでしょうけどね。

 改善アイデアも大切ですが、実際に成果に結びつくかはやってみなければわかりません。施策そのものの良しあしもありますし、単にクオリティが低かっただけの可能性もあります。大切なのは、実践して、その結果を検証して、新しい仮説を立て、次の実行につなげていく。やっぱりそこだと思いました。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 7.Eコマースのひと工夫

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから