ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ガイアの夜明けのGUの人財育成。スリッポン120足売るためには?前【no.0996】

 ご覧になった方もいたと思うんですけれど、先日(録画なのでいつの放送かわからない)の「ガイアの夜明け」で人材育成について放送していたんですね。(以下、ECMJ流で「人財育成」)

 企業の人財育成への取り組みについての特集だったのですが、最初に紹介されたのがユニクロのブランドである「GU」の人財育成の取り組みでした。

 三菱商事から出向しているGUの副社長自身の人財育成。そして、その副社長自身が直接手を入れたGUの店長の人財育成。という感じで、経営者育成と店長育成のふたつが絡んだ面白いテーマだったのですが、後者の店長育成の部分が特に興味深かったんですね。

 観ていない方のために簡単にあらすじを紹介します。

*スリッポンを今月120足売るために・・

 GUの副社長が岐阜県大垣のイオンモールに入っているGUに向かいます。この店舗は立地の良さの割にあまり売上が芳しくなく、副社長が店長を教育し、サポートできればと考えたんですね。そこで副社長は店長と一緒に深い経営指標などをチェックしながら、ひとつの目標を立てます。スリッポン(靴紐などがなく脱ぎ履きが容易な靴)を今月120足売ろう、と。

 実際はもっと細かい目標を立てていると思うので、テレビ的な「わかりやすさ」を求めてのことなのだと思うのですが、スリッポンを月間120足売るために、店長が試行錯誤を始めるんですね。で、その間、店長さんの商売に対する抵抗感とか葛藤があって、副社長の想いがあって、みたいな話もあり、1ヵ月が経過していきます。

*副社長は販売数の伸びを評価した

 1ヵ月後、店長が上京して、副社長に結果を報告しにきます。スリッポンの販売数は、月間実績74足・・結果として月間目標120足に対して60%程の達成になりました。

 ただ、副社長はそこで店長を責めることはなく、むしろ評価をしました。なぜかというと、スリッポンの販売数が週を追うごとに増えていっていたからなんですね。1週目が8足、2週目が12足、3週目が14足、4週目が22足と徐々に成果が出てきていたんです。それをみて、副社長がひと言、

 売上が「到達した」「到達しなかった」じゃなくて、「変化があったかなかった」を僕は見ている。

 そーそーそー、それなんですよ、さすが、素晴らしい、と感心をしてしまったのですが、サイクルが良い方に変化しているかを見るのがマネジメントとして重要なんですよね。4週目の数字で月間100足は見えているわけですから、あとひとつ改善がヒットすれば月間120足に到達できる変化がつくれそうです。

 店長はこれまでの自分の試行錯誤に自信を持って、以前よりも少し商売への興味が強くなった―――。そんな話だったのですが、もし自分が同じように「スリッポンを月間120足売る!」という目標を持ったとしたら、果たして何をするか、と考えたんですね。

*スリッポンを販売するために店長さんがおこなったこと

 店長さんの試行錯誤として、番組が紹介したのはふたつ。

 ひとつは、スリッポンの場所をレジから近い、お客さんが気付きやすい位置にもってくる。よりたくさんのお客様にスリッポンを見てもらうための仕掛け、ですね。もうひとつが、セット販売。スタッフがデニムとスリッポンのセット購入をショップ内で提案する(声掛け)こと。

 他にもたくさんの試行錯誤をして数字を上げていったと思うんですが、自分だったら何をするかな、と単純に興味本位で考えました。こういった感じの実店舗のコンサルティング経験はないですが、ネットショップでの改善活動にも何らかのヒントがありそうです。

 当然ですが、「あくまで広告は使わない」ということを大前提として、考えてみたいと思います。

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カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 4.Eコマースの人財育成

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから