あなたをプロの世界にいざなう「魔法の薬」。その1【no.0985】
ここからは野球選手になったつもりでブログをお読みください・・(?)
あなたはプロを目指す野球選手です。いずれはイチロー選手や松井選手のようなメジャーリーグで活躍のできる野球選手を目指しています。地道なバッティング練習や守備練習を積み重ね、もしかしたらプロ野球のドラフト会議で指名されるかも?というところまでやってきました。
今度の大会で活躍すればプロへの道が大きく開けます。プロ野球団のスカウトの方々もたくさん見に来られる大会です。どうやらあなた目当てのスカウトの方もいるようです。しかし、他の数人の選手とあなたを天秤にかけているという話も。大会ではあなたの魅力である遠くにボールを飛ばす力を見せつけて、なんとかスカウトの視線を釘づけにしたいところです。
あなたは絶対に、ホームランが打ちたいのです。
大会当日、バックルームで素振りをしているとひとりの男が近づいてきました。年齢は40歳くらいでしょうか。その体格から、元野球選手であることがなんとなくわかりました。彼はにっこりと愛想を振りまきながら、あなたに声をかけました。
「●●君だね。試合前から入念な準備をしているね。真面目な選手だと聞いているよ。きっとドラフトでも指名されるんじゃないかな。今日の試合で活躍できれば、だけどね。今日の試合の大切さは●●君もわかっているだろう。私も君が大きなホームランを打てることを願っているよ」
あなたは特に気にせず「はぁ・・ありがとうございます」とだけ返事をして、また素振りを始めました。こういう声かけには慣れています。気持ちを切り替えて、ブンと素振りをすると、いったん遠のいたはずのその男がまた話かけてきました。
「正直いって、いいスイングができていないね。素振りの音が重い。私も長く野球をやっていたからね。音を聞けばわかるんだよ。●●君自身もわかっているだろう。自分の調子がいまひとつ上がっていないことを」
図星でした。あなたはこの数週間、バッティングの調子がいっこうに上がってきません。バッティング練習や練習試合で「捕らえた!」と思っても、ボールがバットにうまくミートしないのです。原因はわかりません。ボールにバットの力が上手く伝わらず、ボールがスタンドまで飛びません。フェンスの手前で落ちてしまいます。これだとライトフライです。
こういたスランプの状態はいまに限ったことではありませんでした。年に数回、2-3か月に一度は「思ったようにうまくいかない」時期が訪れます。小学校1年生で野球を始めてから、幾度となく経験をしてきました。練習を続けていると、どこかのタイミングで自然に修正されていくのがいつものことです。なので、普段はあまり気にしていませんでした。しかし、今日は大会の日。しかも、よりによってプロに入れるか入れないかが決まる大事な試合です。内心、焦りがありました。
「まあ、こういうこともありますよ。試合前の調整でなんとかなるレベルです」
あなたはもう一度素振りをして、男の方を見ないようバックルームの壁に向かっていいました。
「そうかな。一般の野球ファンならわからないかもしれないが、私のような野球経験者ならわかる。まして、プロのスカウトマンがわからないってことはないと思うが」
その言葉に、あなたは男の方を振り向いていいました。
「いいから放っておいてください!それに、あなたいったい誰なんですか!」
あなたの怒気がこもった声に、男はまったくたじろぎません。男はあなたにもう一歩だけ近寄り、あなただけにしか聞こえない、小さな声でいいました。
「●●君、あなたを、助けにきたんですよ」
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