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「果物」ブランドTとS。同じ値段の詰め合わせなのに反応が違うとは・・【no.0491】

 実姉が嫁いだ先が農家をやっています。本業は士業なのですが、引退しつつある義父が合間を縫って家庭菜園レベル以上のきちんとした農家をやっているのです。

 キャベツ、白菜、ピーマン、ししとう、いんげん、大根、ほうれん草などなどなど、2ヶ月に1回のペースで、お野菜の詰め合わせを送ってくれるんですね。だから、ウチはお野菜には困らない・・ということではなくて、お野菜をいただいたお礼に送っている「果物」の話です

 気を遣ってもらって年に6回ほどお野菜をいただいているので、年に2回ほど、義父の元にお礼を送っています。最初はお酒を送っていたのですが、義母はあまりお酒を飲まないし、実姉と義兄が隣の家に住んでいるということで、「みんなで楽しめるものが良いだろう」と果物を送り始めました。

 「果物」というと、みなさん思い浮かぶお店(ブランド)がいくつかあるのではないでしょうか。想像してみてください。

 去年の6月のことです。おそらくみなさんが思い浮かんだ「果物」ブランドのうちのひとつから、「季節の果物詰め合わせセット」をお送りしました。翌々日くらいには義父の家に届いたようで、実姉から「果物いただきました。ありがとー」という連絡がきました。義父は恥ずかしがりやなので、私に直接連絡するのが恥ずかしいようです。

 そして今年の正月明けです。今度は、みなさんが思い浮かべた「果物」ブランドのもうひとつから、同じように「季節の果物詰め合わせセット」をお送りしました。こちらも翌々日くらいには義父の家に届いたようなのですが、今度は「こんなに高いものをもらってしまって申し訳ない!」という連絡がきました。実際には実姉も義父も値段は知らないので、「こんなに高そうなものをもらってしまって申し訳ない!」なのでしょうが。

 実は、最初のブランドの「季節の果物詰め合わせセット」も、後のブランドの「季節の果物詰め合わせセット」も値段は同じです。さらに言えば、初めに義父に送っていたお酒(焼酎)の値段も一緒です。だって、私が「お野菜のお返しは5,000円程度のもので」というように決めているからです。だから、今回の「季節の果物詰め合わせセット」の反応は意外でした。値段、一緒ですからね

 さて、同じ値段の同じようなセットを送ったのにも関わらず、なぜこんなに反応が違ったのかです。

 正直、実姉の「反応が違った」という結果しかわからないので、その原因は掴みきれていませんが、果物の「味」に対しての「こんなに高そうなもの」という反応ではないでしょう。なぜなら、荷物が届いた直後に連絡をしてくれているから、です。となると、「商品の見せ方」がこの反応の違いを生んだと言えそうです。

 考えられる可能性を列挙します。まずは、配送に使われているダンボールです。後者のブランドの方が、ロゴの入れ方やダンボールの作りなど、見せ方が上手だったのかもしれません。ダンボールを開けた中にある、包装紙や緩衝材にどこか違いがあったのかもしれません。それとも納品書でしょうか。オリジナリティ溢れるデザインなのかもしれませんし、「季節の果物の楽しみ方」を書いたカタログが入っていたかもしれません。箱を開けたときの、果物の並べ方、見せ方が美しかったのかもしれません。どこかはわかりませんが、どこかに必ず「違い」があるはずです。

 みなさんの商品は、封を開けたときに「違い」がわかるようになっているでしょうか。特に、プレゼントに使われる商材であれば、箱を開けた瞬間の「わぁ!」が非常に重要になります。競合の商品を買ったことがなければ、プレゼント用として購入してみるべきです。そして、どのくらいのペースでショップが成長しているのかを知るため、1度だけではなく継続的に買い続けてみるのが良いでしょう。

 私は次回、もう一度最初の「果物」ブランドで商品を購入し、実姉の反応を確かめてみたいと思います。

 おわり。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 7.Eコマースのひと工夫

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから